基本情報

所属
大阪大学 大学院人文学研究科 准教授
学位
博士(文学)(大阪大学)

研究者番号
10761215
J-GLOBAL ID
201501095321752922
researchmap会員ID
B000245189

大学の学部生時代に、カール=オットー・アーペルが提唱した超越論的語用論に興味を持ち、その特異な言語観をどう理解すべきか、という問題を出発点として研究活動を行ってきました。
博士論文に加筆した拙著『超越論的語用論の再検討―現代のフィヒテ主義は可能か―』(大阪大学出版会、2017年)は、この点を詳しく論じたものであり、そこでの結論は次のようなものです。

アーペルと、盟友でありまた論敵でもあるハーバーマスとの差異は、カントとフィヒテの差異に関連付けて理解できると考えられます。言い換えると、超越論的語用論は、カントやヘーゲルに比べて遅れていた、フィヒテの現代的解釈および再評価を(無自覚のうちに)行っていたのだと理解できます。

現在は、同書で解決しきれなかった課題に取り組むと共に、フィヒテについての研究を進めています。特に、フィヒテが事実性と当為ないし規範性についてどう考えていたのかや、その哲学体系の構造(上昇と下降の循環あるいは円環)が持つ意味、そして「促し」の概念で知られる他者論などに興味を持っています。

また、コミュニケーションにおける二人称性の役割への関心から、新たにマルティン・ブーバーの対話哲学の研究にも着手しました。現在は、主著である『我と汝』とその周辺の読解を進めています。

他にも、アーペルが影響を受けたチャールズ・サンダース・パースの記号論やジョン・L・オースティンらの言語行為論などに関心を持っています。


書籍等出版物

  5

論文

  20

講演・口頭発表等

  23

委員歴

  4

担当経験のある科目(授業)

  3

共同研究・競争的資金等の研究課題

  3

その他

  2
  • [一般書評・紹介]大賀祐樹(2023),「探究の共同体がなし得るもの パースのプラグマティズムに依拠した民主主義論」、『週刊読書人』2023年7月21日号(第3498号) [一般書評・紹介]中西亮太(2023), 「やっぱり「真理」は諦めたくないし、諦めなくていい――ポスト・トゥルース時代のプラグマティズム」、『図書新聞』2023年10月21日号(第3611号)
  • [学術書評]瀬戸一夫(2017),「書評 嘉目道人著『超越論的語用論の再検討 : 現代のフィヒテ主義は可能か』」、『フィヒテ研究』第25号、pp. 98-108