2020年
LESによる風車後流域の排ガス拡散挙動の解明
大気環境学会誌
- ,
- 巻
- 55
- 号
- 3
- 開始ページ
- 116
- 終了ページ
- 124
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11298/taiki.55.116
- 出版者・発行元
- 公益社団法人 大気環境学会
<p>近年、電力自由化に伴い、既設の風力発電所近くに火力発電所が建設される事例があり、周辺地域への影響が懸念されている。風車によるガス拡散への影響については簡易モデルで検討されている例はあるが、風洞実験や数値シミュレーションなどで風車後流域を考慮した検討は実施されていない。本研究では風車の風下側および風上側にガスの放出源がある場合の風車後流域の排ガス拡散挙動を数値シミュレーションにより検討した。ガス放出点が風車風上に位置する場合、ガスの放出点の高さの違いにより風車がガス拡散に及ぼす影響度が変化することがわかった。ガス放出点が風車ハブ高さと同じ高さに位置する場合、風車後方でガスは風車ブレード長さ程度まで一様に拡散し、地表付近でのガス濃度が高くなる。ガス放出点が風車ブレードの上端付近に位置する場合、風車近傍で風車ハブ高さよりも低い高さまでガスが拡散され、風下に行くにつれガスは地表付近まで拡散され、風車遠方位置において地表面付近のガス濃度が高くなる。ガス放出点が風車ブレードの上端よりも上に位置する場合、風車風下で風車回転によるガス拡散挙動への影響は小さい。一方、ガス放出点が風車風下に位置する場合、ガス拡散範囲、ガス濃度ともに風車有無に関わらず、同じ傾向を示し、風車による影響は小さいことがわかった。</p>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11298/taiki.55.116
- ISSN : 1341-4178
- CiNii Articles ID : 130007840947