共同研究・競争的資金等の研究課題

1996年 - 1998年

嗅内皮質傷害ラットにおけるド-パミン神経伝達の変化

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(C))  基盤研究(C)

課題番号
08671079
資金種別
競争的資金

興奮性アミノ酸神経伝達の低下、特に精神分裂病患者で形態異常が報告されている、嗅内皮質における伝達低下に伴う、ド-パミン神経伝達の変化を検討する目的で、以下の実験を行った。第一に、グルタミン酸受容体亜型の一種である、N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体のR1サブユニットのメッセンジャ-RNA(mRNA)に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを脳室内に投与したラットについて、DA伝達の変化を検討した。このラットでは、R1サブユニットmRNAに対する相補的なプロ-ブによるin situハイブリダイゼ-ションを行うと、側坐核や線条体内側部などの脳室周囲構造において、R1サブユニットmRNAの発現が低下していた。現在は、NMDA受容体蛋白の発現の変化を含めてより詳細に検討中である。このラットでは、A10のDA細胞の発火パタ-ンの変動性の指標が、対照群に比較して有意に低下した。同じラットにおいて、ド-パミンD1およびD2受容体とチロシン水酸化酵素(TH)のmRNAの発現には有意な変化はみられなかった。今後は、選択的な放射性リガンドを用いた受容体オ-トラジオグラフィによるD1とD2受容体蛋白結合の変化についても、定量的に検討する予定である。第二に、キノリン酸による左側嗅内皮質傷害ラットにおいて、ド-パミンに関連した行動(探索運動量、メタンフェタミン誘発移所運動量、常同...

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/08671079
ID情報
  • 課題番号 : 08671079