2016年9月4日
漢方薬が有効であった月経前不快気分障害PMDDの3症例
第36回産婦人科漢方研究会学術集会
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- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 口頭発表(一般)
難治性の月経前不快気分障害(PMDD)において月経前の精神症状に半夏白朮天麻湯(TJ-37)が有効であった症例を3例経験した。【症例1】35歳;18歳から統合失調感情障害にて精神科薬物療法を受けてきた。精神症状が月経前にコントロール不能になるも当帰芍薬散は効かなかった。【症例2】47歳;20歳代から月経前に精神症状とむくみ、頭痛が顕著に出現するも、当帰芍薬散と加味逍遙散は効かなかった。【症例3】29歳;16歳時にベーチェット病を発症、28歳時から月経前の精神症状にて家事と育児に支障をきたすも、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP)は悪心のため服用を継続できなかった。いずれの症例でも半夏白朮天麻湯(TJ-37)7.5g/日、分3内服にて月経前のイライラと攻撃性が速やかに軽減した。病悩期間が長く胃腸虚弱をきたしているPMDDでは本方剤が有力な治療選択肢となりうると考えられた。(著者抄録)