2021年4月 - 2025年3月
人は多義的な文章をいかに理解するのか:文章の循環的理解の研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
- 課題番号
- 21K18031
- 体系的課題番号
- JP21K18031
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 4,550,000円
- (直接経費)
- 3,500,000円
- (間接経費)
- 1,050,000円
- 資金種別
- 競争的資金
人は、部分(単語や文)も全体(文章全体)も多義的な文章を、どうやって理解するのだろうか?文章は一般に多義性を持ち、かつ、この多義性を考慮した文章理解は、教育における深い読みや、芸術における美的感覚喚起とも関連し、重要とされる。文章理解の先行研究では、単語や文の理解からボトムアップに文章全体の理解が構築される過程が集中的に研究されてきた。しかし、このボトムアップのみの過程では、多義性のある文章の理解を説明できない。本研究では、多義的文章の理解解明のため、文章の部分と全体の循環的理解過程の解明を目的とし、その数理モデル構築と検証を目標とする。
本年度は段落(部分)と全体の理解の関係性分析のためにオンラインでの認知心理実験を行った。認知心理実験では、研究者が新規に開発した元童話推定課題と意味的段落分け課題を用いた。結果は現在分析中であるが、一部のオンライン実験で回答者の不誠実な回答が部分-全体の時系列分析時に大きなノイズとなることが示唆されており、今後は実験実施形態の再考や不誠実な回答除去の分析手法の構築を行う。
また、段落分け実験の分析から、読者が事前に段落終端を予測可能な場合の認知モデルの精緻化を進めた(論文準備中)。このモデリングから、事前に段落終端が予測可能であることが、より上位(全体より)の意図系列の予測に関わることが理論的に改めて示唆された。つまり、部分の理解が可能なことが、すでに全体の理解を部分的に示唆すると解釈できる。
加えて、多義的な文章理解の文章理解研究における位置づけについて、より発展的な内容を含めて展望論文を出版した(布山・西郷, 2022)。
本年度は段落(部分)と全体の理解の関係性分析のためにオンラインでの認知心理実験を行った。認知心理実験では、研究者が新規に開発した元童話推定課題と意味的段落分け課題を用いた。結果は現在分析中であるが、一部のオンライン実験で回答者の不誠実な回答が部分-全体の時系列分析時に大きなノイズとなることが示唆されており、今後は実験実施形態の再考や不誠実な回答除去の分析手法の構築を行う。
また、段落分け実験の分析から、読者が事前に段落終端を予測可能な場合の認知モデルの精緻化を進めた(論文準備中)。このモデリングから、事前に段落終端が予測可能であることが、より上位(全体より)の意図系列の予測に関わることが理論的に改めて示唆された。つまり、部分の理解が可能なことが、すでに全体の理解を部分的に示唆すると解釈できる。
加えて、多義的な文章理解の文章理解研究における位置づけについて、より発展的な内容を含めて展望論文を出版した(布山・西郷, 2022)。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 21K18031
- 体系的課題番号 : JP21K18031
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
1-
認知科学 29(1) 100-119 2022年3月 査読有り筆頭著者最終著者責任著者
講演・口頭発表等
4-
3rd Quantum Cognition Workshop 2023年7月3日 招待有り
-
日本認知科学会第39回大会 2022年9月10日 招待有り
-
日本認知科学会第39回大会 2022年9月10日 招待有り
-
第40回認知科学研究センター研究会 2022年7月29日 招待有り