共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

歯科恐怖症の発症機序解明と病型分類:感覚処理パターンに注目して

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K18817
体系的課題番号
JP20K18817
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

歯科恐怖度と感覚処理パターンおよび歯科恐怖に関連する心理的因子の関係を検討するため、インターネット上でモニターを募集し、前年度は213名より有効回答を得ていた。共分散構造分析の結果、感覚処理パターンと破局的思考は直接的に歯科恐怖度と関連していたが、無感情症傾向は感覚処理パターンと破局的思考を介して間接的に歯科恐怖度に関連していることが示唆された。本年度は、前年度明らかになった傾向に性別による違いがあるか検討するため、追加のアンケート調査を行い215名から有効な回答を得た(計428名)。
解析を行うにあたり統計の専門家にコンサルトを行ったところ、共分散構造分析を行うためには質問紙の因子構造が明確になっている必要があるとアドバイスを受けた。感覚処理パターンを測定した青年・成人感覚プロファイルは因子分析を行った結果、因子構造が不明瞭であることが分かった。再現性のある結果を得るために、感覚処理パターンの中で最も歯科恐怖と関連している感覚過敏を測定する15項目から、項目反応理論を用いて極端な項目を取り除き因子構造が明確な短縮版を作成することとした。まず因子分析から低い因子負荷量を示した2項目が除外され、予備項目分析の結果から低い識別力を示した4項目を削除した。残った9項目の1因子性を確認後、項目分析を行い項目母数を推定した。識別力および困難度母数9項目全て基準範囲内であった。は9項目の合計点と15項目の合計点のポリシリアル相関係数を算出し、短縮版の妥当性を確認した。
短縮版感覚過敏性尺度を用いて、アレキシサイミアと歯科恐怖の関係を感覚過敏性が媒介するかを共分散構造分析を用いて検討した。その結果、感覚過敏性はアレキシサイミアと歯科恐怖の関係を完全媒介していることが分かった。これはアレキシサイミア傾向のある個人は感覚過敏性が高く、そのため歯科恐怖が形成されやすいと示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K18817
ID情報
  • 課題番号 : 20K18817
  • 体系的課題番号 : JP20K18817

この研究課題の成果一覧

受賞

  1

論文

  2

講演・口頭発表等

  5