共同研究・競争的資金等の研究課題

2014年 - 2014年

遺伝性心血管疾患における集中的な遺伝子解析及び原因究明に関する研究

厚生労働省  厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患実用化研究事業(委託事業)  
  • 高島 成二

配分額
(総額)
164,499,000円
(直接経費)
126,538,000円
(間接経費)
37,961,000円
資金種別
競争的資金

(本研究の重要性)難治性心不全、不整脈の診断の遅れは、極端な生活の質低下と生命予後の悪化に直結し、高額デバイス装着や外科治療を余儀なくされる。難病遺伝子解析における標的シーズの同定と創薬開発に向けた取り組み、原因遺伝子同定による精密な疾患分類の実現、早期診断と治療最適化は、重症化予防医療にも大きく貢献するため、臨床現場への遺伝子情報の還元は必須である。循環器全体の難病患者は数~十万人を数え、難病遺伝子解析の基礎医学、臨床、医療経済、社会的必要性は極めて大きく、循環器分野として、ゲノム解析拠点の形成は必須である。
(特色・独創性および研究戦略)循環器遺伝難病のゲノム解析の拠点形成に、ALL JAPANの布陣で取り組む。厚労省次世代遺伝子解析研究班を継続し、既知遺伝子の臨床診断応用、新規原因遺伝子同定に主軸を置き、少数症例解析に対応した情報解析システムを開発する。「臨床情報・迅速生体機能・相互作用分子探索」、原因同定に欠かせない3つの重要機能解析をゲノム解析と同時に実施できる研究基盤を整えた施設が、創薬開発と疾患iPS研究への発展性を高めた事業を展開する。全国循環器ゲノム解析ネットワークを構成するため、難治性疾患研究班、日本循環器各学会の研究施設が分担となり、遺伝子情報の臨床現場への還元と診療ガイドラインへの反映を実現する。ゲノム研究班にて同定した複数の新規原因遺伝子が既に創薬開発へ発展し始めている。拠点となり同定規模を拡充し、生体試料、臨床情報からしか入手できないアノテーションを情報解析に付加した汎用性の高い循環器ゲノムデータベースを作成する。新しいセキュアな情報管理システムのもとに、一般研究班に迅速に情報を還元し、臨床現場の強いニーズに即応した事業を実施する。
(研究計画と到達目標)臨床病型が一つの遺伝子に対応しない循環器難病は症例間比較が困難であることが多く、循環器分野独特の解析戦略が必要である。
戦略A:ゲノム解析の基礎研究と臨床実用化:未知遺伝子解析と原因同定機能解析、既知遺伝子解析、既知遺伝子分類診療ガイドライン作成
戦略B:全国普及を目指すゲノム情報システム:全国ネットワーク受託解析システム構築、遺伝情報参照サーバーシステムの構築、新規解析パイプラインの開発と施設間共有
(倫理面の配慮)説明同意はじめ解析にあたって倫理指針に準拠し個人情報保護も遵守する。