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Mar, 2015

口腔疾患の治療や口腔機能の維持・回復が全身の健康に与える影響に関するプロジェクト研究 歯科治療による口腔機能の改善が健康に及ぼす影響に関する臨床データベースの構築

日本歯科医学会誌
  • 志賀 博
  • 横山 正起
  • 横山 敦郎
  • 坂口 究
  • 服部 佳功
  • 依田 信裕
  • 赤川 安正
  • 川良 美佐雄
  • 大川 周治
  • 祇園白 信仁
  • 小野 高裕
  • 前田 芳信
  • 皆木 省吾
  • 津賀 一弘
  • 鱒見 進一
  • 佐々木 啓一
  • Display all

Volume
34
Number
First page
69
Last page
73
Language
Japanese
Publishing type
Publisher
日本歯科医学会

歯科治療介入による口腔機能の改善が健康に及ぼす影響を明らかにする目的で、歯の欠損を有する患者の口腔機能を客観的に評価すると同時に、食品摂取状態、口腔内健康状態、全身の健康状態、栄養状態を調べた。口腔機能の客観的評価は、グミゼリー咀嚼時のグルコースの溶出量を咀嚼能力を表す指標とした。口腔機能の主観的評価は、食品摂取状態のアンケートによる咀嚼スコアとした。健康状態の評価は、口腔内の健康状態としてOHIP-14の合計点、全身健康状態としてSF-12の身体的サマリースコア(PCS)と精神的サマリースコア(MCS)、栄養状態として簡易栄養状態評価表(MNA)のスクリーニング値を選択した。各研究協力施設から、治療前のみのデータ(I-B群)、治療前後のデータ(II-B群、II-A群)、治療後のみのデータ(III-A群)を収集し、グルコースの溶出量、咀嚼スコア、OHIP-14、PCSとMCS、MNAについて、治療前と治療後との間で比較した。グルコースの溶出量と咀嚼スコアは、I-B群とII-B群がほぼ同じで、II-A群、III-A群の順で有意に多くなった。OHIP-14の合計点は、I-B群とII-B群がほぼ同じで、II-A群、III-A群の順で有意に小さくなった。PCSは、I-B群とIII-A群がほぼ同じで、II-B群、II-A群の順に大きくなる傾向を示した。MCSは、I-B群が最も小さく、II-B群、II-A群、III群の順に大きくなった。MNAのスクリーニング値は、I-B群とII-B群がほぼ同じで、II-A群、III-A群の順に有意に大きくなった。これらから、歯科補綴治療により口腔機能は改善し、口腔内の健康状態、全身の健康状態、栄養状態は改善、あるいは改善する傾向が認められた。(著者抄録)

ID information
  • ISSN : 0286-164X
  • Ichushi Web ID : 2015206213

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