2018年4月 - 2021年3月
細胞内イオン環境の光制御のための新規光感受性イオンチャネルの創製
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究では、非侵襲な光での細胞内イオン環境制御による細胞機能の操作を目指して、光照射で活性が制御される新規光感受性イオンチャネルを創製することを目的としている。本年度は、新規光感受性イオンチャネルの構成要素である光感受性タンパク質(PAC)の構造機能相関の解明と、得られていた候補となる青色光感受性キメラチャネルの特性を調べた。下記に詳細を記す。
1. 光刺激によってcAMPを生産するタンパク質であるPACの特定の領域を欠損した変異体は、野生型と比べて低い光強度で活性を示した。このことから、この領域が光刺激に依存した活性制御に重要な部位であることが明らかとなった。よって、光感受性チャネル作製時にはこの領域に変異を導入することで、光感受性を変化できる可能性があることがわかった。
2.特定のアミノ酸を標的とする蛍光色素を用いた標識実験により、PACの特定の領域が光照射時と暗所静置時で標識の度合いが明らかに異なる、つまり構造状態が異なることがわかった。このことから、この領域の光依存的な構造変化を利用してイオンチャネルを光制御できる可能性があることが示唆された。
3. これまでに得られていた候補となる青色光感受性キメラチャネルを精製し、電気生理学的手法により活性の光依存性を調べた。しかしながら、今回検討した光強度では光依存性は見られなかった。今後、光強度や照射時間を詳細に検討し、光依存性の有無を再度調べる予定である。
1. 光刺激によってcAMPを生産するタンパク質であるPACの特定の領域を欠損した変異体は、野生型と比べて低い光強度で活性を示した。このことから、この領域が光刺激に依存した活性制御に重要な部位であることが明らかとなった。よって、光感受性チャネル作製時にはこの領域に変異を導入することで、光感受性を変化できる可能性があることがわかった。
2.特定のアミノ酸を標的とする蛍光色素を用いた標識実験により、PACの特定の領域が光照射時と暗所静置時で標識の度合いが明らかに異なる、つまり構造状態が異なることがわかった。このことから、この領域の光依存的な構造変化を利用してイオンチャネルを光制御できる可能性があることが示唆された。
3. これまでに得られていた候補となる青色光感受性キメラチャネルを精製し、電気生理学的手法により活性の光依存性を調べた。しかしながら、今回検討した光強度では光依存性は見られなかった。今後、光強度や照射時間を詳細に検討し、光依存性の有無を再度調べる予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K06168
- 体系的課題番号 : JP18K06168