2019年3月
グラム陰性菌のリポ多糖の構造と合成経路の多様性 Legionella pneumophilaの遺伝子検査による血清群別に向けて
保健医療福祉科学
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- 巻
- 8
- 号
- 開始ページ
- 40
- 終了ページ
- 47
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 埼玉県立大学保健医療福祉科学学会
細菌感染症における感染源の特定には、患者由来の菌株と推定感染源から分離された菌株の同一性を確認する必要があり、グラム陰性菌においては、その第一段階として、菌体表層のリポ多糖(LPS)の構造の違いを利用した血清群別(血清型別)が行われる。現在は、抗血清を用いた凝集反応による血清群別が普及しているが、群別できない菌株の存在などが問題となっており、いくつかの菌種では、それに代わる新たな血清群別法としてPCR法などの遺伝子検査法が提唱されている。遺伝子検査法の確立には、標的となる遺伝子およびその塩基配列の探索が必要であり、血清群特異的構造を含むLPSの複雑な合成過程に関与する遺伝子群の把握が不可欠である。肺炎を主な病型とするレジオネラ症の起因菌であるLegionella pneumophilaにおいては、LPSの構造を含め未だ解明されていない点が多く、我々は、遺伝子検査による血清群別法の開発に向け、LPS合成関連遺伝子群の解析を進めている。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 2186-750X
- eISSN : 2434-5393
- 医中誌Web ID : 2019343694