2013年4月
子宮筋腫から発生したと考えられた子宮平滑筋肉腫の1例
東京産科婦人科学会会誌
- 巻
- 62
- 号
- 2
- 開始ページ
- 299
- 終了ページ
- 303
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)東京産科婦人科学会
子宮平滑筋肉腫が筋腫から発生する率は0.13〜0.29%とされ、その報告は少ない。今回、子宮平滑筋腫から平滑筋肉腫が発生したと考えられる1例を経験した。症例は50歳、0回経妊で、10年以上前に子宮筋腫を指摘され経過観察されていた。貧血と腹痛の精査目的に当科紹介受診し、精査にて子宮平滑筋肉腫の可能性も否定できなかった。腹式単純子宮全摘出術を施行し、病理所見では子宮の平滑筋腫結節内に平滑筋肉腫を認めた。免疫組織化学検査ではKi-67の発現は平滑筋肉腫のみで認められ、α-SMAは平滑筋腫のみで発現が認められたが、他の免疫組織化学所見は両者で一致し、両者の境界部ではこの2点の特徴を持つ細胞が交錯して存在した。追加手術および化学療法・放射線治療を施行するも、骨盤内再発および骨転移増大を認め、初回手術後6ヵ月で緩和治療目的に転院となった。経過より、平滑筋腫が平滑筋肉腫の発生母地となった可能性があり、希少な症例と考えられた。(著者抄録)
- リンク情報
-
- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/40019783699
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12531542
- URL
- http://id.ndl.go.jp/bib/024838111
- ID情報
-
- ISSN : 2186-0599
- 医中誌Web ID : 2013353076
- CiNii Articles ID : 40019783699
- CiNii Books ID : AA12531542