2019年6月 - 2024年3月
神経伝達物質の異常に伴う超適応を誘発する脳活動ダイナミクスの変容
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究の目標は,アセチルコリン(ACh)やドーパミン(DA)などの神経伝達物質や関連分子の動態変化に伴う脳活動ダイナミクスの変容メカニズムが,ヒトや動物の超適応における適応則の変容に及ぼす影響の解明することである.本年度(初年度)の成果は次の3点である.
1.モデル動物によるマルチタスク実験システムの構築;研究代表者(高草木)らは,四肢で立位姿勢を維持するネコにおける「注意立位姿勢維持~先行性予測姿勢制御~標的への前肢リーチング動作(認知-運動連関のマルチタスク実験系)」を作成し,同タスクにおける姿勢制御の評価系を確立した.その結果,①ネコが前肢リーチングを開始する以前に予測姿勢制御は終了し,これが動作終了後の姿勢をコードしていること,②予測姿勢制御はネコの身体と標的の空間座標に依存して最適化されること,③予測姿勢制御の最適化には,前頭-頭頂ネットワークの活動が関与すること,3点が明らかとなった.
2.脳活動・結合ダイナミクス計測法の開発;研究分担者の花川らのグループは,脳波-fMRIの同時計測を利用した脳活動・結合ダイナミクス計測法を開発した.デフォルトモードネットワークや前頭-頭頂ネットワークのfMRI信号を独立成分解析することにより,領域間のネットワーク相関がダイナミックに変動することを証明した.
3.DAイメージング法の開発と検証;さらに花川らのグループは,これまで高齢者やパーキンソン病(PD)患者で測定してきた DAT SPECT に加えて,Neuromelanin MRIの検討を開始した.特に,MRI画像のコントラストが,どの程度ニューロメラニンやDA産生能を反映しているのかを評価するため,MRI画像解析と病理標本における組織学的解析を併用し,その定量的解析法の確立を試みている.本年度は,同解析のための研究環境を整備し,着実な研究成果の蓄積を試みている.
1.モデル動物によるマルチタスク実験システムの構築;研究代表者(高草木)らは,四肢で立位姿勢を維持するネコにおける「注意立位姿勢維持~先行性予測姿勢制御~標的への前肢リーチング動作(認知-運動連関のマルチタスク実験系)」を作成し,同タスクにおける姿勢制御の評価系を確立した.その結果,①ネコが前肢リーチングを開始する以前に予測姿勢制御は終了し,これが動作終了後の姿勢をコードしていること,②予測姿勢制御はネコの身体と標的の空間座標に依存して最適化されること,③予測姿勢制御の最適化には,前頭-頭頂ネットワークの活動が関与すること,3点が明らかとなった.
2.脳活動・結合ダイナミクス計測法の開発;研究分担者の花川らのグループは,脳波-fMRIの同時計測を利用した脳活動・結合ダイナミクス計測法を開発した.デフォルトモードネットワークや前頭-頭頂ネットワークのfMRI信号を独立成分解析することにより,領域間のネットワーク相関がダイナミックに変動することを証明した.
3.DAイメージング法の開発と検証;さらに花川らのグループは,これまで高齢者やパーキンソン病(PD)患者で測定してきた DAT SPECT に加えて,Neuromelanin MRIの検討を開始した.特に,MRI画像のコントラストが,どの程度ニューロメラニンやDA産生能を反映しているのかを評価するため,MRI画像解析と病理標本における組織学的解析を併用し,その定量的解析法の確立を試みている.本年度は,同解析のための研究環境を整備し,着実な研究成果の蓄積を試みている.
- ID情報
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- 課題番号 : 19H05726
- 体系的課題番号 : JP19H05726
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
2-
Sleep medicine 115 5-13 2024年1月22日 査読有り最終著者責任著者
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Frontiers in Systems Neuroscience 15 792665-792665 2022年1月18日 査読有り筆頭著者
講演・口頭発表等
6-
第102回日本生理学会北海道地方会 2022年9月3日
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新学術領域「超適応」第3回全体会議 2022年3月8日
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第43回日本神経科学大会 2021年8月1日
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新学術領域「超適応」第2回全体会議 2021年3月5日
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第100回北海道医学大会生理系分科会 2020年8月29日