共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

移民の親の教育関与を支える<家族ー学校ー地域連携モデル>に関する日米研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K02553
体系的課題番号
JP19K02553
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究の目的は、移民の親の教育関与の多様な実態とメカニズムを解明し、学校と地域のネットワークにおいて移民の親の教育関与を促す文化的・構造的条件について日米比較の視点から明らかにすることである。初年度にあたる2019年度は、日米両国においてデータ収集を実施し、分析を進めた。
日本では、外国人支援団体で以前より継続しているフィールドワークを実施するとともに移民第一世代の母親10名への半構造化インタビューを行い、特に移民の数が少ない非集住地域における母親たちの育児困難と支援の現状を明らかにした。また、学校に母語支援者として勤務する移民女性たち5名に半構造化インタビューを実施し、彼女たちが果たす学校と移民コミュニティの仲介者としての役割について、日本社会の受け入れコンテクストに注目した分析を行った。
アメリカでは4月と11月にサンフランシスコ学区において各10日間のフィールドワークを実施した。移民が多く、文化的・言語的支援を行う公立小・中・高校10校を訪問し、授業の参与観察および校長、教師、コミュニティ仲介者への半構造化インタビューを行った。そのほか、教育長事務局職員や移民教育および移民家族支援を担当する複数の部署の職員にもアクセスして半構造化インタビューを実施し、特に市場型教育改革とトランプ政権以後の排外主義の高まりが、移民生徒の教育機会と移民家族の包摂に及ぼす影響および、それに対する行政・教育現場レベルの認識を考察した。
以上の分析結果については、World Education Research AssociationとComparative and International Education Societyの国際学会で報告したほか、異文化間教育学会のジャーナル『異文化間教育』の研究論文および書籍2冊(共編著1、分担執筆1)において発表した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K02553
ID情報
  • 課題番号 : 19K02553
  • 体系的課題番号 : JP19K02553