2018年4月 - 2021年3月
先天形態異常症候群《診断3割の壁》の克服にむけた「臨床遺伝医の眼」の共有システム
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
- 課題番号
- 18K07850
- 体系的課題番号
- JP18K07850
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 4,420,000円
- (直接経費)
- 3,400,000円
- (間接経費)
- 1,020,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究の背景には、遺伝性希少疾患の診断においてもはや臨床遺伝医が完全に把握することが困難なレベルで急速に知見が増加していることがある。これに対する、もう一つの解決方法に、多数の顔貌画像情報を基づいた機械学習による診断補助情報提供がある。この方法で、近年急速に普及しているのが米国FDNA社によるサービスであるFace2Geneである。Face2Geneを含む機械学習アルゴリズムの性能に強く影響する要素は学習データの質と量である。Face2Geneにおけるアジア人顔貌データは限定的であるし、日本人データはあったとしてもごく僅かであると考えられる。このため、Face2Geneのアプローチを日本人希少疾患に応用できるのかを評価することが必要となった。
代表研究者を含む研究チームは、グループ1として47症候群に診断された74名、およびグループ2としてダウン症候群と診断された34名の顔貌画像についてFace2Geneを適用した。顔貌認識成功症例と学習済症候群に限れば、グループ1においては85.7% (42/49)で上位10候補疾患として正しい疾患を提示する事ができた。さらにグループ2で同様の結果100%(17/17)であった。これにより、学習済症候群に限れば日本人症例でもすでに正確な診断候補提示が実現されていることがわかった。一方、学習済でも診断できない症候群が一部にあることも明らかになった。
この結果はMishima et al. Journal of Human Genetics (2019) DOI: 10.1038/s10038-019-0619-z として報告した。
代表研究者を含む研究チームは、グループ1として47症候群に診断された74名、およびグループ2としてダウン症候群と診断された34名の顔貌画像についてFace2Geneを適用した。顔貌認識成功症例と学習済症候群に限れば、グループ1においては85.7% (42/49)で上位10候補疾患として正しい疾患を提示する事ができた。さらにグループ2で同様の結果100%(17/17)であった。これにより、学習済症候群に限れば日本人症例でもすでに正確な診断候補提示が実現されていることがわかった。一方、学習済でも診断できない症候群が一部にあることも明らかになった。
この結果はMishima et al. Journal of Human Genetics (2019) DOI: 10.1038/s10038-019-0619-z として報告した。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K07850
- 体系的課題番号 : JP18K07850
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Journal of Human Genetics 64(8) 789-794 2019年8月29日 査読有り筆頭著者責任著者
MISC
1-
泌尿器科 13(2) 197-202 2021年2月28日 招待有り筆頭著者最終著者責任著者
講演・口頭発表等
2-
第58回日本小児外科学会学術集会 2021年4月28日 招待有り
-
日本人類遺伝学会第 65 回大会 2020年11月18日 日本人類遺伝学会 招待有り