2017年12月15日
「出前・イベント型まちの保健室」に参加した住民の健康意識に関する調査
厚生の指標
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- 巻
- 64
- 号
- 15
- 開始ページ
- 19‐26
- 終了ページ
- 26
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一財)厚生労働統計協会
目的 2010年には高齢化率が28%を超え、人口減少が続いている鳥取県倉吉市において、鳥取看護大学は地域貢献として様々な形態の「まちの保健室」を企画・運営している。そのうち気軽に参加可能な「出前・イベント型まちの保健室」参加者の、健康状況と健康意識や健康行動について明らかにすることを目的とした。方法 調査期間は2015年8月から11月で、鳥取看護大学が実施している「出前・イベント型まちの保健室」で健康に関する質問紙を配布し、参加者に記入していただくとともに、研究協力に同意のあった参加者の健康チェックデータを転記し、属性と健康データや健康に関する意識との関係について解析を行った。結果 質問紙は528枚を配布し、493枚が有効回答(93.4%)であった。65.4%が女性で、70代が最も多く、体脂肪率、収縮期血圧は年齢とともに増加し、特に20〜30代から40〜50代での変化が大きかった。健康への自己評価は、約55%が「健康」「まあまあ健康」と答え、男女でも年齢層でも大きな違いはなかった。食事への気づかいについては、男女、年齢層別、イベントの種類別でも違いがみられた。運動については、男女共に半数の人が運動しており、60代から大幅に割合が増加していた。食事や運動以外で気をつけていることについては、年齢が高くなるにつれて気をつけている人が増え、その内容として、男女ともに「睡眠」と答えた人が多く、「ストレスをためない」などの対処法や「前向きに考える」など気持ちの持ち方、「友達と会う」「おしゃべりをする」などという積極的な行動の記述があった。「健診を受けようと思うか」の質問へは、スポーツ系イベントの人は93%が肯定しており、健康への意識の高さがうかがえた。まちの保健室の参加については、約90%の人が「良かった」と答えていた。結論 40〜50代の生活習慣病関連データは、30代に比して急激に悪化し、自身を「健康」だと明言できる割合も低く、健康への意識改革を勧めやすい年代と考えられた。まちの保健室に参加する人の割合が、50代から増えている。この健康意識が高まる時期にまちの保健室を開催することで、介護予防に寄与する可能性も考えられた。今回明らかとなった健康意識・行動の特徴を踏まえ、本人の健康行動から実行可能な行動目標を本人とともに言語化していくことが必要である。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0452-6104
- 医中誌Web ID : 2018106868
- J-Global ID : 201802248033359704