2008年 - 2010年
有害事象に関与する薬物動態相互作用に関する研究
厚生労働省 厚生労働科学研究費補助金
- 資金種別
- 競争的資金
医薬品による有害事象の発生において、発現臓器への暴露量を決定する重要な要因である薬物トランスポーターに着目して、有害事象の発症における個人差が生じる要因を解析した。その結果、代表的な薬物トランスポーターであるP-糖タンパク質の遺伝子転写調節領域にある一塩基置換によってP-糖タンパク質の発現量が異なる可能性を示した。また、薬物トランスポーターの機能変動が基質となる医薬品の体内動態にどの程度の影響を与えるのか定量的に予測するヒト体内動態予測モデルおよび消化管における薬物間相互作用を予測するための管腔側薬物濃度の推定法を開発した。さらに、血管新生阻害作用を有する抗がん剤であるベバシズマブについて、国立がんセンターでの実診療での実施例および日本医療データセンターのレセプトデータを用いて有害事象に関連するデータ集積を行い、有害事象の発症と関連する患者背景因子を探索する調査方法を確立した。