共同研究・競争的資金等の研究課題

2000年 - 2000年

脳変性性疾患における「表情認知」障害の病態に関する研究

文部科学省  科学研究費補助金(特定領域研究(C))  特定領域研究(C)

課題番号
12210134
体系的課題番号
JP12210134
資金種別
競争的資金

〔目的〕Parkinson病患者における表情認知障害の有無を、静止画表情刺激と動画表情刺激を用いて検討した。〔対象・方法〕Parkinson病患者13名、健常者76名を対象とした。動画刺激課題では6種類の基本表情(幸福、悲しみ、怒り、恐怖、驚き、嫌悪)を表現している役者のビデオ画像を見せ、それぞれの表情を表す単語が書かれたカード6枚の中から選択させることで、表情認知能力を判断した。静止画刺激課題では、6種類の基本表情を表現している人物の顔写真を見せ、表情のポジティブーネガティブ判断、表情マッチング判断課題、人物異同判断を行った。合わせて知能検査として、Min-Mental State Examinationを施行した。
〔結果〕Parkinson病患者は動画刺激を用いての恐怖と嫌悪表情判断について、健常者と比較して低い選択率を示した。また、静止画刺激と動画刺激の表情認知の成績は有意な相関を示した。一方、表情認知判断と人物異同判断の成績、Min-Mental State Examinationの成績は有意な相関を示さなかった。
〔考察〕Parkinson病患者は、他の表情判断は良好であったにも関わらず、恐怖・嫌悪についての表情認知のみが障害されていたことから、表情が複数のネットワークにより処理されることが示唆された。また、Parkinson病患者の"仮面様顔貌"に見られる表情表...

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/12210134
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-12210134
ID情報
  • 課題番号 : 12210134
  • 体系的課題番号 : JP12210134