2021年4月 - 2024年3月
移民集住地区における日系ブラジル人の教育戦略-世代・階層の違いに着目して
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究の目的は、長期定住化に伴って多様化する移民家族の教育戦略を階層と世代の違いに着目しながら検討することであった。この目的を達成するべく、今年度は以下の調査を行った。
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①移民集住地区に暮らす日系ブラジル人保護者に対する質問紙調査
移民の親の教育意識に関する調査はこれまで数多く行われてきたが、エスニックグループごとの比較が多く、エスニックグループ内部の多様性についてはあまり目が向けられてこなかった。さらに、夫婦でも教育意識に差があることが指摘されているが(藤浪 2020)、その違いの内実を明らかにした研究は多くない。本研究ではこの点を補うため、夫婦両方に質問紙調査を行い、かつ、世帯年収や滞日年数との関連性を分析した。分析の結果、教育関心と教育方針(学校依存型/親参加型)のありように違いが見られたため、いくつかのグループにカテゴリーした。
②移民集住地区に暮らす日系ブラジル人保護者に対するインタビュー調査
①の質問紙調査に基づき、各カテゴリーから1、2ケースを抽出し、インタビュー調査を行った。質問紙調査の回答を深掘りしつつ、質問紙調査では掬いとれなかった親の来日経緯やコミュニティとの関係性について尋ねた。インタビュー調査においてもなるべく夫婦双方に聞き取りを行った。その結果、移民集住地域に暮らしながらも、他のブラジル人と自らを差異化し、教育戦略を構築している家族の姿が明らかになってきている。また、教育意識が高くとも、具体的に進学に必要な情報が行き届いていない実態も明らかになった。
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①移民集住地区に暮らす日系ブラジル人保護者に対する質問紙調査
移民の親の教育意識に関する調査はこれまで数多く行われてきたが、エスニックグループごとの比較が多く、エスニックグループ内部の多様性についてはあまり目が向けられてこなかった。さらに、夫婦でも教育意識に差があることが指摘されているが(藤浪 2020)、その違いの内実を明らかにした研究は多くない。本研究ではこの点を補うため、夫婦両方に質問紙調査を行い、かつ、世帯年収や滞日年数との関連性を分析した。分析の結果、教育関心と教育方針(学校依存型/親参加型)のありように違いが見られたため、いくつかのグループにカテゴリーした。
②移民集住地区に暮らす日系ブラジル人保護者に対するインタビュー調査
①の質問紙調査に基づき、各カテゴリーから1、2ケースを抽出し、インタビュー調査を行った。質問紙調査の回答を深掘りしつつ、質問紙調査では掬いとれなかった親の来日経緯やコミュニティとの関係性について尋ねた。インタビュー調査においてもなるべく夫婦双方に聞き取りを行った。その結果、移民集住地域に暮らしながらも、他のブラジル人と自らを差異化し、教育戦略を構築している家族の姿が明らかになってきている。また、教育意識が高くとも、具体的に進学に必要な情報が行き届いていない実態も明らかになった。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K02319
- 体系的課題番号 : JP21K02319
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
5-
日本社会学会第96回大会, 立正大学 2023年10月
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日本教育社会学会第75回学会大会 2023年9月10日
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日本移民学会第33回大会 2023年6月25日
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第33回日本移民学会年次大会 2023年6月25日
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日本教育社会学会第74回学会大会(オンライン) 2022年9月10日