論文

2010年3月

摂食障害で入退院を繰り返す成人になる子どもを持つ母親の主観的体験

東京女子医科大学看護学会誌
  • 佐々木 三和

5
1
開始ページ
21
終了ページ
29
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
東京女子医科大学看護学会

本研究の目的は、摂食障害で入退院を繰り返す成人になる子どもを持つ母親の主観的体験を明らかにすることである。摂食障害で入退院を繰り返す成人になる子どもの母親6名に半構成的面接を実施し、質的帰納的に分析を行った。その結果、【困惑】【否認】【自責感】【怒り】【被害感】【孤独感】【無力感】【悲嘆】【後悔】【哀れみ】【病気と闘う決意】【不安】【願望】という13のカテゴリーからなる母親の主観的体験が明らかになった。摂食障害によって引き起こされた子どもの食行動の異常や社会的逸脱行動に、最も身近な存在として巻き込まれていた母親は、子どもへの対応の困難さによる悪循環や病気を受け容れる困難さがあるにもかかわらず、母親自身が適切な支援を受けられないことにより負担が増大していた。母親は、子どもの変化に一喜一憂して、期待を抱き、無力感に襲われ、失望するといった気持ちの揺れを何度も繰り返しながら、それでも子どもとともに歩み続けていた。看護師は、母親が自尊感情をもって自発的に問題に取り組むために、両価的感情も含め、安心して自己開示できるような雰囲気づくりを心がける必要がある。また、母親の求めに応じた心理教育的な介入を行う役割も望まれる。患者である子どもだけではなく、その幸福を願う存在としての母親を支え、ともに考える姿勢を持ち関わっていくことが重要であると考えられた。(著者抄録)

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/120003075116
CiNii Resolver ID
http://ci.nii.ac.jp/nrid/9000397445156