1996年 - 1998年
国民国家形成過程における日本人の自己意識と他者認識
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(A)) 基盤研究(A)
- 課題番号
- 08301031
- 体系的課題番号
- JP08301031
- 担当区分
- 連携研究者
- 配分額
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- (総額)
- 8,100,000円
- (直接経費)
- 8,100,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
平成8年度から10年度にかけておこなってきた「国民国家形成過程における日本人の自己認識と他者認識-民俗学と民族学を中心に-」の研究は、主として日本の近代初期に出発点をもつ民族学と民俗学を中心にして、日本人としてのアイデンティティと他者としての他(異)民族意識の形成に、この二つの学問がいかなる役割を果たしてきたかを明らかにすることであった。かつて植民地であった台湾・朝鮮・満州・樺太千島や日本のなかでの周辺的な位置に存在したアイヌや沖縄など、当時とすれば地理的および文化的な周辺にあった文化の系譜や日本的と考えられてきたものとの異質性を明確にすることで日本人とそれ以外との境界線を設定することに民族学や民俗学が大きな役割を果たしてきたことがこの研究で明らかになった。同時に、それは他者としてのそれらの文化と自国の民俗的な文化の深い理解を通じて、民俗学や民族学を担ってきた研究者が、安易に植民地政策や同化政策に与してきたわけではないこともあきらかになった。そして、こうした外部の文化が刺激となって、自国を研究する民俗学が、日本の内部においても文化が系譜や起源や変遷において一律ではなく多元的であり、また時代によってあらたに生成されていくことも明らかになった。日本における民俗学や民族学(文化人類学)の生成が、近代の日本の国民国家の形成と密接に関係していて、それが現在の二つの学問のありようをある意...
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 08301031
- 体系的課題番号 : JP08301031