2018年4月 - 2021年3月
東日本大震災被災地のコミュニティ形成を支援する社会教育の構造と論理
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
東日本大震災の被災地である宮城県山元町の地域復興とコミュニティ形成にかかわって山元町へのフィールド調査を7月と12月の2回にわたって行った。7月調査では、津波被災地区における男性住民による「みんなの図書館」運営にかかわるボランティア活動等について聞き取りをおこなった。また、自治会役員から念仏講等の民俗行事の実態や子ども神楽等の伝統芸能継承活動について聞き取りをおこなった。12月調査では、4年前から山元町の青年層が中心となって実施している「やまもとはじまるしぇ」を視察し、関係者と懇談した。
山元町では、震災後に人口流出、高齢化が加速度的に進み、地域の祭りの継承や地域コミュニティの継続が課題となってきていることを確認した。震災後の山元町における地域課題に取り組む住民の動向とそうした住民活動を支えた震災以前からの社会的基盤や住民の学習活動の蓄積の解明を行う必要を明らかにした。山元町では、コンパクトシティ構想のなかで小・中学校の新設が実施され、通学区域の再編が実施された。本年度(平成30年度)は、山元町における学校再編にかかわる基礎的な情報収集に着手した。また、被災後の山元町の行政施策に関する行政資料を収集し、整理をおこなった。
山元町でのフィールド調査と併せて、東北地域の被災地のなかで山元町の復興過程を位置づけるため、宮城県南三陸町、気仙沼市、岩手県大船渡市、住田町において情報収集と住民への聞き取りをおこなった。また、国際比較研究の観点から、2004年のインドネシア・スマトラ島沖の地震による津波で3万人を超える犠牲者と50万人に上る被災者をだしたスリランカ調査に参加し、民間団体(SALVODAYA)による地域災害対応事業(Community Disaster Managment Centre)について調査をおこなった。
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山元町では、震災後に人口流出、高齢化が加速度的に進み、地域の祭りの継承や地域コミュニティの継続が課題となってきていることを確認した。震災後の山元町における地域課題に取り組む住民の動向とそうした住民活動を支えた震災以前からの社会的基盤や住民の学習活動の蓄積の解明を行う必要を明らかにした。山元町では、コンパクトシティ構想のなかで小・中学校の新設が実施され、通学区域の再編が実施された。本年度(平成30年度)は、山元町における学校再編にかかわる基礎的な情報収集に着手した。また、被災後の山元町の行政施策に関する行政資料を収集し、整理をおこなった。
山元町でのフィールド調査と併せて、東北地域の被災地のなかで山元町の復興過程を位置づけるため、宮城県南三陸町、気仙沼市、岩手県大船渡市、住田町において情報収集と住民への聞き取りをおこなった。また、国際比較研究の観点から、2004年のインドネシア・スマトラ島沖の地震による津波で3万人を超える犠牲者と50万人に上る被災者をだしたスリランカ調査に参加し、民間団体(SALVODAYA)による地域災害対応事業(Community Disaster Managment Centre)について調査をおこなった。
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- ID情報
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- 課題番号 : 18K02300
- 体系的課題番号 : JP18K02300
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
2-
地域の暮らしと学び-宮城県山元町をみつめ、未来を拓く人々の記録- 69-79 2023年3月 筆頭著者
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茗渓社会教育研究 (11) 31-40 2020年5月