2021年
ベトナムの視覚障害学生を対象とした学修環境に関する実態調査
Journal of Inclusive Education
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- 巻
- 10
- 号
- 開始ページ
- 17
- 終了ページ
- 28
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.20744/incleedu.10.0_17
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
ベトナム社会主義共和国(以降、単にベトナムと言う)では、教育における障害者の平等な参加を規定した「障害者法」が2011年に施行され、インクルーシブ教育に関する法や学校の整備が進んでいる。ベトナムにおける視覚障害学生の修学状況を明らかにし、学修環境改善のための知見を得ることを目的に、ベトナムの大学10校に在籍する視覚障害学生16名を対象にインタビューを行い、学修の状況と課題について調査を実施したので報告する。調査の結果、大学による組織的な対応は障害者法に基づいた最小限の経済的支援(学費の減免、奨学金の優先的授与)に限定されていた。一部の教員による授業・試験の配慮、学習資料の提供に関する支援を除けば、障害に関わる修学上の困難の多くを学生本人の自助努力により対処している状況が明らかとなった。各大学において修学支援の専門組織、担当者、規則の設置が必要である。それらの運用と共に、教職員の啓発と学内外の人的・技術的リソースの活用が、視覚障害学生の学修環境を改善する糸口になると考えられる。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.20744/incleedu.10.0_17
- CiNii Articles ID : 130008080579