論文

2017年1月

声門下気管狭窄のため気管挿管に難渋した気管切開既往患児の1症例

岡山歯学会雑誌
  • 大西 梨恵子
  • ,
  • 樋口 仁
  • ,
  • 須田 通代
  • ,
  • 谷村 博史
  • ,
  • 若杉 優花
  • ,
  • 川瀬 明子
  • ,
  • 前田 茂
  • ,
  • 宮脇 卓也

35
2
開始ページ
49
終了ページ
51
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
岡山歯学会

11歳11ヵ月男児。埋伏した両側上顎第二小臼歯の抜歯を目的に全身麻酔が予定された。既往歴にPierre Robin Sequenceがあり、生後1〜9ヵ月に気管切開による呼吸管理を受けていた。CT上、最狭部の気管径は16.0×6.8mmであったが、通常の挿管は可能と判断した。プロポフォールで麻酔導入し、酸素・セボフルラン・フェンタニルを投与し、ロクロニウムで筋弛緩を得た。マッキントッシュ喉頭鏡で喉頭展開を行い、この時のCormmak Gradeは2であった。内径6mmや5mmのカフ付経口用プリフォーム気管内チューブ、更には内径5mmや4.5mmのカフなし気管チューブで挿管を試みたが、声門下より進めることができなかった。そこで、McGRATH MACをガイドに内径4.5mmの気管チューブを声門下の挿入可能なところまで挿入し、気管チューブの内部へ直径3mmの気管支ファイバーを挿入してガイドとして気管チューブを進めたところ、やや抵抗を感じたものの挿管を行うことができた。麻酔時間は1時間59分で、術中・術後に喉頭浮腫は認めず、抜管後の呼吸困難、気道閉塞も認めなかった。

ID情報
  • ISSN : 0913-3941
  • 医中誌Web ID : 2017381078

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