2017年4月
全身麻酔により口腔外科手術が予定された術前検査においてD-ダイマー値の異常が発見された無症候性PTE/DVTの症例
日本歯科麻酔学会雑誌
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 45
- 号
- 2
- 開始ページ
- 235
- 終了ページ
- 237
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本歯科麻酔学会
症例は86歳女性で、上顎歯肉癌の診断で上顎骨部分切除術を予定した。D-ダイマーが高値であった。造影CT検査を実施し、両側肺動脈下葉枝と両側下腿レベルに多数の血栓像を認めた。第1病日より、ヘパリンを静脈内投与後、持続静脈内投与による抗凝固療法を開始した。第3病日に、ヘパリンを停止し、第X因子阻害剤であるエドキサバンの内服を開始した。第10病日、造影CT検査で両側肺動脈下葉枝と両側下腿レベルにおける血栓像の消失を確認した。第11病日のD-ダイマーも0.5μg/ml以下に低下した。第13病日よりエドキサバンを中止し、第15病日に予定手術を施行した。深部静脈血栓塞栓症リスク分類は最高リスクに分類されたが、術中のVTE予防法は間欠的空気圧迫法のみ行った。抗凝固療法は、手術部位からの出血がないことを確認し、術後2日目(第17病日)からエドキサバンの内服を再開した。術後VTEの再発はなく、術後26日目に退院した。
- ID情報
-
- ISSN : 0386-5835
- eISSN : 2433-4480
- 医中誌Web ID : 2017257888