2004年7月
下顎骨腫瘍切除および遊離骨皮弁による再建術後に発症した無症候性肺塞栓症の1症例
日本歯科麻酔学会雑誌
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- 巻
- 32
- 号
- 3
- 開始ページ
- 379
- 終了ページ
- 380
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本歯科麻酔学会
72歳男.高血圧症,高脂血症で内服加療中である.右下顎エナメル上皮腫により,腫瘍切除術,下顎骨区域切除術,腓骨皮弁および外側大腿皮弁による再建術,気管切開を施行した.前投薬として,塩酸ヒドロキシジン,硫酸アトロピンおよびファモチジンを筋注した.麻酔導入は,チオペンタールで急速導入を行い,臭化ベクロニウムで筋弛緩を得た後,経鼻挿管を行った.維持は,笑気,酸素,セボフルランで行った.術後,低酸素血症が持続した.心電図,心エコー,CTスキャン検査より,肺動脈のマクロの塞栓は否定的であるが,右下肢静脈に血栓が認められ,ミクロの塞栓が疑われるため,ヘパリンの静脈内投与を開始した.右下肢深部静脈血栓は消失していたが,右肺動脈上葉枝の血栓は顕著化していた.再発予防のため術後9日目よりワーファリンの経口投与を開始した.術後42日目,右上葉の血流欠損像は消失していた
- ID情報
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- ISSN : 0386-5835
- eISSN : 2433-4480
- 医中誌Web ID : 2004309547