MISC

2021年8月

FGF23のHFpEFへの関与についての検討

日本透析医会雑誌
  • 溝渕 正英

36
2
開始ページ
307
終了ページ
311
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公社)日本透析医会

FGF(fibroblast growth factor)23は心毒性を有していることが示唆されている。今回、我々はHFpEF(heart failure with preserved ejection fraction)を呈するDOCA食塩負荷マウスを用いて、外因性のFGF23投与による心障害について検討した。DOCA食塩負荷マウスの頸静脈に小型ポンプを挿入し、FGF23(1.6μg/日)もしくは同容量の溶媒(PBS)を2週間持続的に静脈投与した後の、心機能および心組織変化を検討した。FGF23投与により、血中FGF23濃度は増加し、心臓超音波所見ではHFpEFが増悪した。また、心筋細胞の肥大化はみられず、心筋組織の線維化が促進し、組織内のCYP27B1mRNA発現が低下し、CYP24A1mRNA発現が上昇した。以上より、外因性のFGF23投与によりHFpEFは増悪するが、この増悪には心筋組織内のビタミンD活性化障害に起因する心筋線維化が関与することが示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0914-7136
  • 医中誌Web ID : 2021339045

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