2018年4月 - 2021年3月
撥水/撥水パターニング表面での特異的ピン止め現象の解明と高効率液体輸送技術の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本年度では撥水表面を構築することにより液体を輸送する技術の基板となる液体の付着メカニズムに関して検討を行った。超撥水・撥水・親水表面に対して外力を変化させながら液体を付着した際の挙動はCassie状態・もしくはWenzel状態をとることが分かっている。これに対して液滴表面に撥水性粒子を吸着させることでその粒子運動性から液体の基板への付着を抑制する手法を用い、non-lossで液滴を輸送できる技術として見出した。そこで本年度ではこの撥水性粒子吸着液滴のCassie,Wenzel状態を超撥水・撥水・親水性基板表面上で外部刺激環境下で調べることにより、本技術の安定的な液滴輸送能を妨げる因子となりうるCassie-Wenzel転移現象について調べることとした。この知見をもとにして撥水表面による任意液滴輸送を基板への付着損失を伴うことなく可能となることが期待できる。 本年度の基礎検討に関しては明確な知見を得られており、シンプルな液滴のCassie-Wenzel転移現象と撥水性粒子吸着液滴の転移現象は全く異なるメカニズム、条件によって生じていることが確認された。これは濡れ現象のファンダメンタルな新規の知見であり、John Wiley & SonsのAdvanced Functional Materials誌(Impact Factor:13.325)に論文掲載済みである。来年度の研究計画に滞りなく突入できそうである。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K14006
- 体系的課題番号 : JP18K14006