論文

査読有り
2012年

日本産コーヒーオオハリセンチュウの種内変異

日本線虫学会誌
  • 酒井 啓充
  • ,
  • 武田 藍
  • ,
  • 水久保 隆之

42
1
開始ページ
1
終了ページ
7
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.3725/jjn.42.1
出版者・発行元
The Japanese Nematological Society

千葉県植木生産地のイヌツゲ根辺土壌から検出したコーヒーオオハリセンチュウの4個体群についてその種内変異を調べた。2個体群が他の2個体群に比べて体長が大きかったが、形態計測値はすべての個体群間でオーバーラップしていた。リボソームDNA領域(18SおよびD2/D3領域)の塩基配列では変異がほとんど見られなかったが、ミトコンドリアCOI領域の塩基配列では6種の配列変異体が検出され、7%以上の配列間差違が見られるものもあった。これらCOI配列を用いて最尤法による系統樹推定を行ったところ、配列変異体が2つのグループに分かれることがわかった。この2グループはそれぞれ別の個体群を表していると考えられたが、供試した個体群のうち1個体群からはこの両グループの配列変異体が検出されたため、このサンプルは混合個体群サンプルと考えられた。このような混合個体群が存在しうるため、コーヒーオオハリセンチュウを含むXiphinema americanum-groupの線虫個体群を扱う際には、計測値の散布図を併用するなど形態計測値の評価に注意を要する一方、個体群の解析に有効なCOI領域の塩基配列情報の蓄積が重要であることが示唆された。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.3725/jjn.42.1
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130004510862
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12415279
ID情報
  • DOI : 10.3725/jjn.42.1
  • ISSN : 0919-6765
  • CiNii Articles ID : 130004510862
  • CiNii Books ID : AA12415279
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000258082387

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