2011年 - 2013年
植物寄生性線虫の寄生阻害物質の探索・同定とその寄生阻害機作の解明
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(B)) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 23380029
- 体系的課題番号
- JP23380029
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 17,290,000円
- (直接経費)
- 13,300,000円
- (間接経費)
- 3,990,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本課題では、我々が見出したジャスモン酸処理によるセンチュウ寄生の抑制現象に基づく仮説「ジャスモン酸が植物代謝産物等の産生等を経てセンチュウの寄生を抑える」を検証するべく、ジャスモン酸誘導性のセンチュウ侵入抑制物質の単離同定及び作用機作の解明を主な目的として研究を進めている。これまでに、ジャスモン酸処理トマト根由来の中性及び酸性画分中にネコブセンチュウ侵入抑制物質が存在することを見出し、中性画分から活性物質としてテルペノイドのスクラレオールを同定した。また、スクラレオールによる侵入抑制にはエチレンシグナル伝達が関与することを明らかにした。そこで24年度は、エチレン以外の植物側因子の特定を試みるとともに、酸性画分中に見出した侵入抑制物質の精製を進めた。前者については、スクラレオールで処理したトマト及びシロイヌナズナの根において病原体等の感染に対する防御で重要な役割を演じるリグニンが蓄積することを見出した。また、リグニン生合成関連の遺伝子はスクラレオール処理によって誘導されたことから、リグニン蓄積の誘導は少なくとも転写レベルで制御されていることが示唆された。以上の結果から、スクラレオールによるセンチュ侵入抑制にはエチレンのみならずリグニンも関与することが明らかとなった。後者の侵入抑制物質の精製については、高速液体クロマトグラフによる分画に進み、残り数段階の分画で単離できるところまで到達した。なお、活性を示した画分の予備的MS分析の結果から追っている活性物質は極性の高い低分子物質であることが判明した。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 23380029
- 体系的課題番号 : JP23380029