共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2022年3月

少数株主の利益保護と独立取締役の役割保障によるコーポレート・ガバナンスの再構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K13374
体系的課題番号
JP20K13374
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

初年度は研究目的で設定した3つのResearch Question(RQ)のうちRQ1, 2について検討を行った。
【RQ1少数株主の保護】支配株主(親会社)の権利と責任という法的論点について近年注目されているStakeholder Capitalismの観点から「親会社の行動は機関投資家の支持を得られるのか」を検討した。具体的には2020年に8年ぶりに改訂された英国スチュワードシップ・コード(以下、SC2020)と、再改訂された日本のSC(以下、日本版SC)を精査した。
①SC2020の分析:SC2020ではスチュワードシップが再定義されサステナビリティの観点からESGが重視されている。日本版SCへの示唆として、金融市場、企業および機関投資家の観点からESG要素をいかにコードに規定するかという課題を提起した(国際商事法務論文)。
②日本版SCの検討課題:SC2020の分析から、ESGは重要な課題ゆえにESG要素の一括した規定、あるいは常に環境(E)要素に重点を置くのではなく、各機関が投資対象企業を取り巻く環境から重視すべきESG要素を考慮すべきと指摘した。例えば、昨今のコロナ禍では従業員の安全やサプライチェーンの保全といった「S」要素が気候変動などの「E」要素に対して優先するべきであり、これは効率性の観点からも妥当である。企業は、ESGの各要素の重要性(materiality)の高低を社会状況や事業の内容等から考慮し自らの判断でESG要素に自発的に取り組むべきであり、投資家もまた同様にこうした考慮を基に自身の判断で投資を行うべきであることを提示した(国際取引法学会論文)。
【RQ2独立社外取締役の保護】「事実上の取締役」の観点、英国の「影の取締役」の観点、米国の信認義務、Majority of Minority(MoM)の情報開示など、比較法の観点から横断的に検討を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K13374
ID情報
  • 課題番号 : 20K13374
  • 体系的課題番号 : JP20K13374

この研究課題の成果一覧

論文

  4

講演・口頭発表等

  1

社会貢献活動

  2