共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

口腔がん微小環境内のがん幹細胞と腫瘍関連マクロファージの機能解析と新たな治療戦略

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K11854
体系的課題番号
JP17K11854
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

腫瘍組織再現能をもち、抗癌剤や放射線への抵抗性を有し、再発・転移の最大原因と考えられているがん幹細胞(Cancer stem cell: CSC)に注目した新たな口腔癌に対する治療法の開発を目指した研究である。
CSCは「静止期」と呼ばれる冬眠状態にとどまっており、細胞増殖をほとんど行っていない。そのため、従来の癌細胞の増殖抑制を目的とした治療では、静止期に維持されているCSCに効果を発揮できない。従って、CSCを静止期から増殖期に移行させる治療の開発が直近の課題となっている。本研究は、口腔癌微小環境内におけるCSCとCSCを静止期から増殖期に移行させる重要な鍵を握ると思われる腫瘍関連マクロファージ(Tumor associated macrophage: TAM)との相互作用を解析する。さらに、CSCにおけるPI3K/Akt/mTOR経路とTAMにおける活性経路の双方からアプローチし、治療抵抗性を示す口腔癌に対する新たな治療法の開発を目指している。現在までに、In vitroの実験でマウス由来の扁平上皮癌株(SCC7)およびヒト由来リンパ節転移口腔扁平上皮癌(Oral squamous cell carcinoma: OSCC)細胞株(HSC-3)とリンパ節非転移OSCC細胞株(HSC-2)を用いたIn vitroでスフェロイド形成能を持つCSCの分離培養実験を継続中である。一方In vivoの実験では、マウス由来の扁平上皮癌株(SCC7)を2×107/mlに調整し、C3Hマウスの口腔内(舌、歯肉)もしくは咬筋内に移植し、口腔癌浸潤モデルマウスの作製に成功し、また、同様に高リンパ節転移OSCC細胞株においても、無胸腺マウスの口腔内(舌、歯肉)もしくは咬筋内に移植し、口腔癌リンパ節転移モデルマウスの作製にも成功している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K11854
ID情報
  • 課題番号 : 17K11854
  • 体系的課題番号 : JP17K11854