共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

魚油のオメガ3脂肪酸が不整脈予防効果を示す分子機序の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K11636
体系的課題番号
JP20K11636
配分額
(総額)
3,510,000円
(直接経費)
2,700,000円
(間接経費)
810,000円

心房細動の発症や持続は、心筋に発現するイオンチャネル遺伝子の発現異常による電気的リモデリングが重要な原因となるが、その詳細な成立機序については解明されていない。今年度の研究では、高脂肪食を負荷したマウスの心筋障害に対してEPAは保護作用を示すかどうかについて検証した。C57BL/6マウスに60%高脂肪食(HF)を8週間負荷し同時にEPAを8週間経口投与した際の心機能の変化をみた。HF群では有意な体重増加と心筋収縮力の低下が確認されたが、EPAの慢性投与により部分的な改善が認められた。HF群の心房筋、心室筋におけるIL-10, IL-1b, TNF-aのmRNA発現はControl群で有意に増加したが、EPAによる改善効果はIL-10 mRNA発現でのみ認められた。一方、心房筋におけるL型カルシウムチャネルの発現はEPA投与により有意に増加することが判明した。さらに、マウス心筋細胞を用いた細胞免疫染色の結果から、EPAの投与によりCav1.2発現は有意に増加することが確認された。以上の結果から、EPAは高脂肪食負荷により障害を受けた心筋細胞に対して、イオンチャネル遺伝子の発現を増加させることで心筋の電気的リモデリング抑制に作用する可能性が示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K11636
ID情報
  • 課題番号 : 20K11636
  • 体系的課題番号 : JP20K11636

この研究課題の成果一覧

MISC

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