論文

2018年3月

【再発見!MYCの多機能性 グローバル転写因子として見直される古典的がん遺伝子】 iPS細胞誘導におけるMYCの機能

実験医学
  • 中川 誠人

36
4
開始ページ
534
終了ページ
538
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)羊土社

多能性幹細胞は体のなかにある細胞のほぼすべてに分化できる能力とほぼ無限に増えることができる能力から再生医療の材料として期待されており、実際に移植治療や創薬で活用されている。国内では特にiPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究と応用が進んでいる。iPS細胞は血液や皮膚の細胞といった分化した細胞を初期化することで作製できる多能性幹細胞である。つまり、自分の細胞を使って自分の治療に役立てることができるということになる。体細胞にいくつかの初期化因子を導入すると1ヵ月弱でiPS細胞に変化する。初期化因子のなかの1つにがん原遺伝子のMycが含まれている。樹立当初はc-Mycが用いられていたが、最近われわれはL-Mycが初期化に重要な働きをしていることを明らかにしており、より詳細な初期化のメカニズム解明を進めている。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0288-5514
  • 医中誌Web ID : S221140007

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