論文

査読有り
2021年1月

地域在宅高齢者における食品摂取多様性の加齢変化パターンとその関連要因

日本老年医学会雑誌
  • 成田 美紀
  • ,
  • 北村 明彦
  • ,
  • 谷口 優
  • ,
  • 清野 諭
  • ,
  • 横山 友里
  • ,
  • 野藤 悠
  • ,
  • 天野 秀紀
  • ,
  • 西 真理子
  • ,
  • 武見 ゆかり
  • ,
  • 新開 省二

58
1
開始ページ
81
終了ページ
90
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本老年医学会

目的:在宅高齢者における食品摂取の多様性得点(DVS)の加齢変化パターンを類型化し,その関連要因を検討する.方法:対象は,群馬県草津町で2012〜17年に実施した高齢者健診を一度でも受診した1,195名である.食品摂取多様性はDVSにより評価し,混合軌跡モデリングにより65〜90歳の加齢変化パターンを検討した.DVSの加齢変化パターンの関連要因の検討は,多項ロジスティック回帰分析を用い,従属変数はDVSの加齢変化パターンのうち該当者の割合が最も高い中推移群を基準とし,説明変数は性,年齢,家族構成,教育年数,BMI,主観的咀嚼能力,TMIG-IC,GDS-15,MMSE,喫煙,飲酒,既往歴(高血圧,脂質異常症,糖尿病,脳卒中)とした.結果:DVSの加齢変化パターン及び該当率は,高推移群16.6%,中推移群44.5%,低推移群38.8%であった.DVSの加齢変化パターンの関連要因として抽出された変数は,DVS中推移群に比した低推移群の調整オッズ比(95%信頼区間)では,主観的咀嚼能力(全く噛めない)2.69(1.02〜7.08),GDS-15 1.11(1.06〜1.17),現在喫煙1.76(1.14〜2.73),過去喫煙1.70(1.19〜2.43)であった.一方,中推移群に比した高推移群の調整オッズ比では,男性0.61(0.37〜1.00)年齢1.04(1.01〜1.07),主観的咀嚼能力(噛みにくいものがある)0.58(0.38〜0.89),GDS-15 0.88(0.82〜0.96),高血圧既往有り0.55(0.37〜0.83)であった.結論:在宅高齢者のDVSの加齢変化パターンは3つに類型化されることが明らかになった.食品摂取の質をより高く保つためには,主観的咀嚼能力,抑うつ状態等の精神的健康に加え,生活習慣病のリスクである高血圧の管理や,喫煙等の生活習慣にも留意すべきであることが示された.(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 0300-9173
  • 医中誌Web ID : 2021211063

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