論文

2009年4月

両大戦間期の農家現物消費--予備的考察 (特集 戦前日本の所得と消費と労働)

経済研究
  • 尾関 学

60
2
開始ページ
112
終了ページ
125
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.15057/21445
出版者・発行元
岩波書店

本稿は,両大戦間期における農家の消費行動について,1931(昭和6)-41(昭和16)年の農家経済調査の個票データを用いて分析した予備的考察である.分析の中心は,戦前の農家世帯において重要であった,食料の現物消費である.対象となる時代は,とりわけ養蚕業を営む農家世帯の現金収入へ大きな打撃を与えた.昭和恐慌の影響が色濃く残る,ゆるやかな回復期にあった.そのため,対象となる農家世帯を,個票データのみで可能な「養蚕農家」と「非養蚕農家」と区分し,分析をおこなった. 分析の結果,恐慌からの回復期に農家所得が上昇傾向をしめすものの,農家世帯の消費行動において,その購入割合は増加せず,現物消費が重要な役割を果たしていた.とりわけ養蚕農家においては,恐慌の影響が最も大きかった1931年を基準にすると,農家所得の伸びと食料消費における現物消費割合との間には,負の関係が認められたのである.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.15057/21445
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/120003692732
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00070761
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/10281963
URL
https://hdl.handle.net/10086/19562
ID情報
  • DOI : 10.15057/21445
  • ISSN : 0022-9733
  • CiNii Articles ID : 120003692732
  • CiNii Books ID : AN00070761

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