論文

2009年

病気の相応:糖尿病とストレス:東京のセルフヘルプグループの事例から

日本文化人類学会研究大会発表要旨集
  • モハーチ ゲルゲイ

2009
開始ページ
207
終了ページ
207
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.14890/jasca.2009.0.207.0
出版者・発行元
日本文化人類学会

本発表では、糖尿病とストレスという苦悩の2つの形を介するプロセスに焦点をあて、病気は日常生活でどのように比べられるかを明らかにする。2つの異なる症状として分類されている糖尿病とストレスは、患者或いは治療者においてもめったに異なるもののように扱われていない。むしろ、比べようとするという出来事のなかで、それぞれの意味が着実に読み解かれてゆく。ここで取り上げるセルフヘルプグループの患者達のあいだには、高血糖との闘いを話し合う機会が設けられている。そこで糖尿病の個々に異なる軌道は、食事制限などの「ストレス」、その集合的な経験を活かせるきっかけになる。ではここで、糖尿病とストレスをめぐる差異と同一性はいかに再配置されるのだろうか? 糖尿病の自己管理において、近代医療の実体としての血糖値とそれぞれの固有の悩みは、こうした患者会の次回のテーマを決める熱い議論から健康食品の販売戦略まで、数多くのローカルな実践のなかで結びつくのである。これは本発表において、社会的相応化(social commensuration)と呼ぶことにして、「比較の学問」である人類学の新たな展開の可能性について考察してみる。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2009.0.207.0
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005050050
URL
https://jlc.jst.go.jp/DN/JALC/10034284529?from=CiNii
ID情報
  • DOI : 10.14890/jasca.2009.0.207.0
  • ISSN : 2189-7964
  • CiNii Articles ID : 130005050050

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