共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2023年3月

砂の液状化特性モデル化の抜本的革新を目指した極低拘束下での粒状体せん断挙動の計測

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)  挑戦的研究(開拓)

課題番号
20K20538
体系的課題番号
JP20K20538
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
25,740,000円
(直接経費)
19,800,000円
(間接経費)
5,940,000円

地震時に砂地盤が液状化すると、各種の社会基盤施設や建築物に深刻な被害を引き起こす。このような液状化地盤の大変形は、有効応力がほぼゼロになった状態で進行しやすいことが知られているが、その際の挙動を高精度に計測することは、技術的な困難を伴う。
砂の間隙を水で飽和させた通常の液状化試験は、これらの材料の密度の違いに起因する自重の影響から逃れることができない。一方で、水とほぼ同じ密度を有する高分子材料の粒状体を用いて水浸条件下で試験を行うと、自重の影響をほとんど受けずに極低拘束圧下でのせん断挙動を評価することが可能になる。
そこで本研究では、砂地盤が完全に液状化した際の挙動を高精度に解明し、その評価手法を抜本的に革新することを最終的な目標として、極低拘束圧下でのせん断挙動を評価できる特殊な装置を新規開発して粒状体の微視的・巨視的な挙動を高精度に計測し、これらを適切にモデル化することを目的とする。
中間年度である本年度は、水とほぼ同じ密度を有する高分子材料の丸棒を積層させた供試体の等体積繰返し二軸試験を水浸条件下で実施できる試験装置を新規導入し、これを用いた動作試験等の予備的な検討を行った。また、気中条件下で同様な試験を実施できる現有の装置を用いた実験的検討を昨年度に引き続いて行い、比較的小さい載荷履歴を事前に与えた際の局所的な空隙の変化状況を画像解析で計測する場合の精度等を明らかにした。
さらに、極低拘束圧下における粒状体材料のせん断挙動に関し、丸棒自体とその積層体内での相互力学作用を微視的にモデル化できる個別要素法を用いた数値解析を行い、液状化挙動に及ぼす供試体作製時の重力の影響はあまり顕著には現れない重要ではないが,液状化試験中の重力の大きさが応力ひずみ関係や応力経路に及ぼす影響は無視できないことを明らかにした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K20538
ID情報
  • 課題番号 : 20K20538
  • 体系的課題番号 : JP20K20538

この研究課題の成果一覧

論文

  4

MISC

  2

講演・口頭発表等

  1