共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2021年3月

関連候補遺伝子WDR3に着目した統合失調症の女性に特異的な分子病態の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究
  • 小林 桃子

課題番号
19K17124
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

統合失調症の病態に関して、発症年齢・転帰・治療薬への応答に性差があることが報告されているが、その分子細胞基盤は不明な点が多い。WDR3遺伝子は、先行研究の分子遺伝学的研究において、女性の統合失調症との関連が認められた新規の統合失調症関連遺伝子である。WDR3は、18s rRNAのプロセシングに関与しているため40Sサブユニットの合成に必須であり、脳を含む幅広い組織で発現している。しかし、性差を含む統合失調症病態メカニズムとの関連性だけでなく、中枢神経系におけるWDR3の役割自体も明らかにされていない。本研究では、WDR3の中枢神経系での発現と機能、さらに発現変化による神経機能への影響を明らかにするとともに、性別因子の関与を検討することで、統合失調症の女性に特異的な分子病態の解明を目的としている。
今年度は、中枢神経系におけるWDR3発現の基本的なプロファイルを明らかにすることを目的として、免疫組織化学的解析および分子生物学的解析を行った。その結果、WDR3は脳の神経細胞に広く発現をしていることが明らかとなり、qPCR法による定量解析では、WDR3ヘテロ欠損マウスの海馬においてWDR3の下流シグナルにある18S発現量の有意な減少が認められた。このような変化は大脳皮質では認められなかった。WDR3遺伝子欠損マウスは、ホモ欠損が致死性で生まれないため、野生型およびヘテロ欠損マウスで解析を進めている。組織学的解析では、ヘテロ欠損による大脳皮質および海馬の層構造の乱れは認められなかった。海馬に着目をして、発達期別(neonate: 7日齢、juvenile: 5週齢、adult: 10週齢)・性別にWDR3のmRNA発現定量解析を行ったところ、雄では発達に伴い、有意に発現量が減少しているのに対し、雌では有意な減少は認められなかった。

ID情報
  • 課題番号 : 19K17124