2018年3月
日本における英語学習機会の格差への対応
産業経営プロジェクト報告書:一般研究
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回数 : 6229
- 巻
- 41
- 号
- 2
- 開始ページ
- 31
- 終了ページ
- 42
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 日本大学経済学部産業経営研究所
本稿では、親の経済資本や文化資本が英語教育機会の格差に及ぼす影響について、日本を含むさまざまな国で実施された研究を概観した上で、1)経済資本(収入等)、2)文化資本(学歴等)、3)社会関係資本(人間関係等)、4)効果のある学校、という4つの観点から日本での英語学習機会格差への対処法を考察した。経済資本に関しては英語村の利用や留学支援、 私教育支援を進めることで、経済的な原因による英語教育機会の差を削減すること、文化資本に関しては教育行為の相対化と多様化で文化資本の差で生じる格差に対処すること、社会関係資本については志水(2009、 2014)をもとに子どもたちの地域・学校・家庭でのつながりを高める工夫することの重要性を強調した。4効果のある学校については、加藤(2017a)が列記した英語教育で効果を上げている学校の特徴を挙げ、英語の授業の「質」を高める取り組みとして、教科書をしっかりと教えることを提案した。