共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

新奇なオンゲル共培養法を用いた脳スフェロイドへの血管網構造構築原理の探索

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K05236
体系的課題番号
JP20K05236
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究は、脳オルガノイド内に血管網を構築する方法の糸口を見つけるために、ハイドロゲル上で脳スフェロイド(ニューロスフェア、脳オルガノイド)と血管形成細胞の共培養・浸潤アッセイ系を作製し、脳スフェロイドへの血管形成細胞の浸潤および血管網構造形成条件を探索することを目的としている。
2年目は、血管形成細胞である血管内皮細胞が三次元的な組織内部に、浸潤できる足場材料の条件を検討した。初年度に得られた結果として、コラーゲンゲル表面にUV照射を施し、架橋した条件では、そのままのコラーゲンゲルと比べて、硬さ(ヤング率)が2倍程度高くなったことによって、脳毛細血管内皮細胞の接着量が増加し、更に増殖が速くなるだけでなく、多くの仮足が見られた。この結果をもとに、UV照射コラーゲンゲルの血管様構造形成誘導の可能性を確かめるために、UV照射コラーゲンゲルとそのままの未照射コラーゲンゲル上で培養した脳毛細血管内皮細胞の上に、更にコラーゲンゲルを被せて培養を続け、其々の条件での細胞の形状の変化を解析した。UV照射コラーゲンゲル上の血管内皮細胞はコラーゲンゲルを被せた後も増殖し、平面的に広がる傾向を見せた。一方でそのままの未照射コラーゲンゲル上の血管内皮細胞は、被せたコラーゲンゲル内に浸潤し、分岐するように、多くの仮足を見せた。目的とする脳毛細血管内皮細胞のネットワーク構造の形成には、そのままのコラーゲンゲルの方が適している可能性がある。コラーゲンゲルを被せるタイミングなど考えながら、コラーゲンゲル上およびゲル内における脳オルガノイドと血管内皮細胞の共培養をふまえた細胞の形態変化について今後更に解析していきたい。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K05236
ID情報
  • 課題番号 : 20K05236
  • 体系的課題番号 : JP20K05236