共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

被ばく評価とトレーサ応用を目指した日本周辺のPb-210大気降下量評価

日本学術振興会  科学研究費補助金  基盤研究(B)
  • 山澤弘実

課題番号
20H04321
体系的課題番号
JP20H04321
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
5,200,000円
(直接経費)
4,000,000円
(間接経費)
1,200,000円
資金種別
競争的資金

ラドン輸送壊変核種沈着モデルの開発では、計画通り、昨年度開発の簡易沈着計算スキームによる水平9㎞格子を用いた複数年分の日本域沈着計算を行い、Pb-210湿性沈着量は日本海側で冬季に200 Bq m-2 mon-1を超えること、日本海側でも沈着量は系統的な分布を持つこと、及び背後の山岳のスケールに応じて水平数十kmスケールの高沈着域が形成されること等の沈着量分布の広域的特徴を見出した。また、従来大幅な過小評価であった青森県六ケ所村での沈着量が、3㎞格子計算で大幅に改善されることが示された。しかし、まだ数割の過小評価であり、雪の水平ドリフト効果及び沈着過程モデルの改良に着手した。
沈着過程の新たなモデル化に着手し、雲水分量からの降水への転換速度に基づくラドン壊変核種除去速度を採用した沈着過程モデルを作成し、石川県域を対象に検証を開始した。その結果、沈着量を過小評価していた一部の年で大幅な改善が見られた。沈着量再現では、モデルによる地形再現との複合的な影響が示唆されたため、モデルの水平分解能との関係及び他の対象地域(青森)での再現性検証に着手した。また、Pb-214, Bi-214沈着量検証データとして線量率データを用いるために、測定点(青森)の現地調査を実施した。
降水中Pb-214, Bi-214濃度測定装置について測定を継続し、十数例の降水中濃度の時間変化データを取得した。データの時間分解能は測定精度(計数誤差)とのトレードオフの関係になるが、10分値として解析可能であることが確認され、従来の30-60分値に比べて、精度が高く高分解能のデータが得られつつあり、湿性沈着過程の物理モデル構築に着手した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H04321
ID情報
  • 課題番号 : 20H04321
  • 体系的課題番号 : JP20H04321