書籍等出版物

2011年11月25日

絵本の事典

  • 森 覚

担当区分
共著
担当範囲
仏教絵本 pp.318-320,時代による解釈の変遷(桃太郎絵本) pp.547-549.
出版者・発行元
朝倉書店
総ページ数
担当ページ
①05-03宗教系の本 宗教の世界をテーマにした絵本 仏教絵本 pp.318-320. ②時代による解釈の変遷 pp.547-549.
記述言語
日本語
著書種別
事典・辞書
DOI
ISBN
9784254680225

①近代以降の日本国内で制作され始めた仏教絵本の概要について提示する。はじめに、仏教絵本の基本概念を定義し、大正時代における仏教児童教化の中で出版された仏教絵本の歴史的展開を、大正期・昭和初期、昭和20年代、昭和40年代、昭和55年以降の四期に分けて、代表的作品をあげながらまとめる。その上で、伝記絵本、行事儀礼絵本、縁起絵本、その他という四つのカテゴリーに分け、仏教絵本の下位ジャンルについて解説する。
②昔話は、時代の変遷とともに新しい解釈がなされ、語り変えられていくものである。江戸時代に絵本化された桃太郎物語は、明治時代以降に起きた江華島事件、台湾出兵、日清戦争、日露戦争の中で、文明開化、富国強兵、軍国主義、立身出世といった近代的思想や価値観へ傾倒する表現が再話によって加えられていく。同時に、桃太郎は、現人神のように神格化した鬼ヶ島の征服者としても表現され、近代天皇制との関係性をうかがわせる。

ID情報
  • ISBN : 9784254680225