2017年12月31日
仏教絵本『佛敎聖典おしゃかさま』にみるブッダの表象−仏教とキリスト教との混合−
形の文化研究
- 巻
- 10
- 号
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 13
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
1950年に刊行された『佛敎聖典おしゃかさま』は、仏教改革運動家の友松圓諦を中心に浄土宗と真言宗の学僧・教育家が編纂に携わり、伝統仏教教団の推薦を受けている絵本である。ところが作中には、19世紀末の西洋仏教学が形成したキリスト教の救世主イエス像と重ねられた近代的ブッダ像が描き出される。そこには、実証主義歴史学、アメリカン・ユニテリアン、新仏教運動、アルブレヒト・リッチェルとアドルフ・フォン・ハルナックのキリスト教プロテスタント自由主義神学、社会救済を目的とした宗教者による「神の国化」運動、修養団をはじめとした自己修養運動の影響を思わせる表現がある。
- リンク情報
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- 共同研究・競争的資金等の研究課題
- 近現代日本の仏教絵本におけるブッダのイメージ研究