共同研究・競争的資金等の研究課題

2014年4月 - 2015年3月

脂肪細胞分化における新規クロマチン蛋白の機能解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
26461363
体系的課題番号
JP26461363
配分額
(総額)
4,810,000円
(直接経費)
3,700,000円
(間接経費)
1,110,000円

我々は、非ヒストン核タンパクであるHigh-mobility group protein B2(HMGB2)が骨髄由来間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell : MSC)で発現していることを見出し、軟骨への分化に関与していることを明らかにしている。このMSCは、骨(軟骨)や脂肪細胞へ分化できることが知られているが、脂肪細胞の分化への関与は未だ不明のままであった。本研究では、脂肪細胞分化過程におけるHMGB2の関与を検討し、生理学的役割明らかにするために研究を行った。今回、前駆脂肪細胞である3T3L1細胞を用いて、常法(インスリン、デキサメタゾン、IBMXを含んだ分化カクテルによる刺激)に従い脂肪細胞へ分化させ、その分化過程におけるHMGB2の発現パターンとその機序を解析した。その結果、脂肪細胞への分化初期段階にHMBG2の発現が上昇することが判明した。また、HMGB2 siRNAを用いたRNA干渉実験において、HMGB2の発現を抑制された3T3L1細胞は明らかに脂肪細胞への分化阻害が確認された。同様にHMGB2ノックアウトマウスより採取したMSCを用いて脂肪分化実験を行うと脂肪細胞への分化が全く観察されなかった。さらに脂肪細胞分化を制御していることが知られているWnt/β-cateninシグナル経路を解析した結果、そのシグナルが解除されていないことが判明した。これらの結果より、HMGB2は脂肪細胞の分化を制御している因子であることが初めて明らかとなった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-26461363
ID情報
  • 課題番号 : 26461363
  • 体系的課題番号 : JP26461363