森 功次

J-GLOBALへ         更新日: 19/01/31 18:10
 
アバター
研究者氏名
森 功次
 
モリ ノリヒデ
eメール
morinorihidehotmail.com
URL
http://morinorihide.hatenablog.com/
所属
大妻女子大学
部署
国際センター
職名
専任講師
学位
博士(文学)(東京大学)
その他の所属
慶應義塾大学東京女子大学
科研費研究者番号
30720932
Twitter ID
conchucame

プロフィール

 2015年に「前期サルトルの芸術哲学――想像力・道徳・独自性」という題目で、東京大学の美学芸術学研究室に博士論文を提出しました(本Researchmap内にて公開中)。
 
 現在は「芸術評価のための現代的価値論の構築:アートワールドの多元化をふまえて」という研究課題に取り組んでいます。
 現代英語圏の分析美学の領域で行われてきた「芸術的価値」をめぐる論争を整理しつつ、そこに知覚理論や価値論に関する現代哲学の最新の知見を導入することで、芸術的価値についての新たな価値論の構築を目指す。これが現在のわたしの研究の目標です。

本研究では、以下の3つの課題に取り組みます。

1.芸術作品の知覚について
 ここでは、美的価値などの高次性質の知覚はどのように特徴づけられるべきか、また、知覚が重要な役割を果たしていない作品の観賞をどのように考えるべきか、といった問題を考察していきます。近年の英語圏美学でひとつのホットトピックになっている、美的証言(aesthetic testimony)をどのように位置づけるかという問題や、いわゆる「直面原理Acquaintance Principle」をどう考えるかという問題にも取り組むつもりです。

2.価値判断の規範性について
 ここでは、価値判断の規範性normativity を考えるために、理想的観賞者(これは理想的批評家ideal critic とも呼ばれる)をめぐって行われている近年の論争を整理することを目標にします。理想的観賞者をどのような存在者として位置づけるべきか、また、われわれの実際の観賞経験に理想的観賞者はどのように関わってくるのか、といった問題を考察していく予定です。

3.批評の機能について
 批評の本質的役割・機能はどこにあるのか、という問題をあつかいます。ここでは、近年の哲学的論争を整理するだけでなく、実際の批評の現場でどのような論法が用いられているのか、という分析にも取り組みたいと考えています。芸術評価のじっさいの場面では作品がどのような観点から批判・賞賛されているのか、また、そこで作品知覚や価値判断がどのように考えられているのか。こうした問題を、これまでの作業1,2 の知見をふまえつつ分析し、本研究の応用的成果として提出していきたいと考えています。わたしは2012年から2015年にかけて「不道徳作品の価値をめぐる問題」について研究を進めてきましたが、そこから得られた知見が、この作業3の基礎を支えています。
 とりわけこの作業3では、主に日本の批評論争を分析したいと考えています。というのも、本研究の応用的意義は、国外の美学者や近隣分野の研究者にも共有可能な語彙を用いつつ、わいせつ作品や芸術文化についての日本独自の考え方をより明確な形で描き出すところにあると思われるからです。

 以上3つの作業をつうじて、文化的構築物を評価するための価値理論、それも、古典的な芸術概念に縛られない現代の多面的な文化状況に向けた新たな価値理論を構築することが、本研究全体の目標です。


 また上記の作業とあわせて、これまで日本であまり紹介されていなかった英語圏の分析美学を積極的に紹介していく、というのもわたしの研究目標のひとつです。
 2013年にはロバート・ステッカー『分析美学入門』(勁草書房)を、
 2015年にはケンダル・ウォルトン「芸術のカテゴリー」(電子出版物)、
 ケンダル・ウォルトン「フィクションを怖がる」(西村清和編『分析美学基本論文集』収、勁草書房)を、
 2017年にはノエル・キャロル『批評について:芸術批評の哲学』(勁草書房)を、翻訳しました。
 また訳書の刊行にあわせてブックフェアを企画するなど、アウトリーチ活動にも取り組んできました。美学という学問の面白さを世間に広めるためにも、こうした活動は今後も積極的に行っていきたいと考えています。

研究分野

 
 

経歴

 
2018年4月
 - 
現在
大妻女子大学 国際センター 専任講師
 
2016年4月
 - 
現在
慶應義塾大学 非常勤講師(哲学倫理学特殊、美学特殊)
 
2018年4月
 - 
現在
東京女子大学 人文学科哲学専攻 非常勤講師(美学特論)
 
2015年4月
 - 
2018年3月
東京大学 文学部 美学芸術学研究室 教務補佐員
 
2015年4月
 - 
2018年3月
山形大学 人文学部 学術研究員
 
2015年4月
 - 
2018年3月
桜美林大学 芸術文化学群 非常勤講師(現代美術論)
 
2013年4月
 - 
2018年3月
文星芸術大学 非常勤講師 (「美学I」「美学II」「美学特論(現代アートと芸術哲学)」)
 
2012年4月
 - 
2015年3月
日本学術振興会 特別研究員(PD)
 
2010年4月
 - 
2012年3月
日本学術振興会 特別研究員(DC2)
 

書籍等出版物

 
ノエル・キャロル (担当:単訳)
勁草書房   2017年12月   ISBN:4326851937
飯田隆, 伊藤邦武, ‎ 野家啓一, ‎ 入不二基義, ‎ 青山拓央
青土社   2017年11月   
植村玄輝・八重樫徹・吉川孝(編著)、富山豊、森功次(著)
新曜社   2017年8月   ISBN:4788515326
小熊 正久, 清塚 邦彦
東信堂   2015年12月   ISBN:479891326X
西村清和(編訳)
勁草書房   2015年8月   ISBN:4326800569
月亭可朝, 上岡龍太郎, 桂ざこば, 桂米團治
青土社   2015年5月   ISBN:4791702891
法政大学出版局   2015年3月   ISBN:4588150693
金子 國義, 最上 和子, 小林 信之, 田中 雅志, 大岡 淳, 深澤 紗織, 三浦 和広, 辻 大介, 谷崎 榴美, 華藤 えれな, 鵺神 蓮, 森 功次, 岩渕 竜子, 平林 幸壽, 佐々木 治己, YUKO-KAT, 野尻 英一 (担当:共著)
日本美学研究所   2014年6月   ISBN:4990768612
田中 均, 石田 圭子, 柳沢 史明, 森 功次, 荒井 裕樹, 権 安理, 古市 太郎, 天内 大樹, 小林 史明 (担当:共著)
御茶の水書房   2011年11月   ISBN:4275009495
ロバート ステッカー (担当:単訳)
勁草書房   2013年5月   ISBN:4326800534

論文

 
サルトル
森 功次
現代フランス哲学入門      2019年12月   [招待有り]
デュシャン
森 功次
現代フランス哲学入門      2019年12月   [招待有り]
サルトル
森 功次
よくわかる哲学・思想      2019年11月   [招待有り]
森 功次
よくわかる哲学・思想      2019年11月   [招待有り]
子育てと美学
森 功次
美学の事典      2019年6月   [招待有り]
批評・解釈の役割――作品の意味は作者の意図に還元されるのか
森 功次
美学の事典      2019年6月   [招待有り]
森 功次
『現代思想』2017年12月臨時増刊号 総特集=分析哲学   154-168   2017年11月   [招待有り]
Aesthetic experience of bad art: From the point of view of the evaluative approach to aesthetic experience.
森 功次
Proceedings of ICA 2016   517-522   2016年12月
森 功次
Ágalma   32 64-74   2016年10月   [招待有り]
translated by Enea Bianchi
サルトルの「芸術作品とは非現実的存在である」という主張をどのように受け止めるべきか
森 功次
『画像と知覚の哲学』      2015年12月   [招待有り]
森 功次
東京大学   1-220   2015年10月   [査読有り]
森 功次
『サルトル読本』法政大学出版局      2015年2月   [招待有り]
Direct Experience and Artistic Value: A Consequence of the Ideal Appreciator Theory
森 功次
transacting aesthetics   103-111   2015年   [査読有り]
森 功次
Aesthetics   18 1-12   2014年3月   [査読有り]
The Development of Sartrean Ethics After World War II: Moral Attitudes in Artistic Relation
森 功次
Diversities in Aesthetics   300-308   2013年7月
森 功次
美学   63(1) 37-48   2012年6月
森 功次
Aesthetics   16 11-24   2012年4月   [査読有り]
森 功次
『批評理論と社会理論〈1〉』叢書アレテイア13号      2011年11月   [招待有り]
森 功次
美学芸術学研究   43-83   2010年   [査読有り]
森 功次
美學   60(2) 16-29   2009年12月   [査読有り]
Dans la pensee de l'art chez le premier Sartre, l'image et le reel sont-ils distinctement separes? Sartre a-t-il meconnu la materialite de l'oeuvre d'art? Il serait excessif d'affirmer cela. Premierement, si l'on examine les concepts de <<spontane...

講演・口頭発表等

 
森 功次
ワークショップ「ネタバレの美学」   2018年11月23日   
公開ワークショップ「ネタバレの美学」
2018年11月23日@大妻女子大学
提題者兼オーガナイザーを務めた
「ワインの評価基準の独特なところ」 [招待有り]
森 功次
講演会  日常に根ざした言葉で哲学をするということ:飯田隆『新哲学対話』をめぐって   2018年7月28日   
『ワードマップ現代現象学』執筆者の一人として応答 [招待有り]
森 功次
フッサール研究会第16回研究会、シンポジウム「現代現象学の批判的検討」   2018年3月17日   
美的選択:伝統的美学理論からの逸脱とその影響 [招待有り]
森 功次
日本大学文理学部人文科学研究所 第13回哲学ワークショップ   2018年3月16日   
Aesthteic Forecast: Some Problems of Hypothesizing Other's Judgment [招待有り]
森 功次
国際ワークショップ:Art and Mind   2017年8月11日   
前期サルトルの芸術哲学――想像力・独自性・道徳(博論合評会) [招待有り]
森 功次
日本サルトル学会第38回研究例会   2016年12月3日   
森 功次
日本科学哲学会第49回大会   2016年11月20日   
Aesthetic experience of bad art: From the point of view of the evaluative approach to aesthetic experience.
森 功次
The 20th International Congress of Aesthetics 2016   2016年7月26日   
「Acquaintance Principleと美的証言:美学と認識論の結節点」 [招待有り]
森 功次
第48回日本科学哲学会   2015年11月21日   
「芸術作品のカテゴリーと作者性――2015年VOCA展の出品拒否事件を題材に」
森 功次
第66回美学会全国大会   2015年10月11日   

Misc

 
「戦後の実存主義と芸術」
森 功次
ベルナール・ビュフェ美術館館報   1 5-7   2016年6月   [依頼有り]
森 功次
Synodos      2016年2月   [依頼有り]
WebジャーナルSynodosへの寄稿。日本における分析美学の現状を説明。
【翻訳】『スクリブナー思想史大事典』「想像力」「美」の項目
森 功次
   2016年1月
【翻訳】「フィクションを怖がる」
ケンダル・ウォルトン(森功次訳)
西村清和編『分析美学基本論文集』   301-334   2015年8月
ケンダル・ウォルトン(森功次訳)
   2015年6月
【雑誌執筆】ひらくマンガ、めくるマンガ
森 功次
『ユリイカ』   47-8(662) 246-246   2015年6月
森 功次
『エステティーク』   1 72-76   2014年6月   [依頼有り]
ロバート・ステッカー(森功次訳)
   2013年5月
【翻訳】有機的形態の空間への蓄積
若林砂絵子(森功次訳)
展覧会「表現する葦 Reeds Expressing」カタログ(多摩美術大学美術館)      2011年
【翻訳】「時のプリズムの中で――若林砂絵子」
ドミニック・チノ(森功次訳)
展覧会「PLATFORM2010 寺田真由美?不在の部屋/若林砂絵子?平面の空間」カタログ(練馬美術館)      2010年

委員歴

 
2018年4月
 - 
現在
フィルカル  編集委員
 
2010年
 - 
現在
日本サルトル学会  理事
 
2015年12月
 - 
2016年10月
美学会  特任幹事
 
2008年8月
 - 
2010年7月
哲学若手研究者フォーラム  世話人(総務、会計)
 

担当経験のある科目

 
 

競争的資金等の研究課題

 
大妻女子大学: 戦略的個人研究費
研究期間: 2018年7月 - 2019年3月    代表者: 森 功次
文部科学省: 科学研究費補助金(若手研究(B))
研究期間: 2015年 - 2018年    代表者: 森 功次
日本学術振興会: 特別研究員奨励費
研究期間: 2012年4月 - 2015年3月    代表者: 森 功次
芸術における「参加」の問題――美学理論と演劇研究からのアプローチ
大阪大学: 文学研究科共同研究経費
研究期間: 2013年10月 - 2014年2月    代表者: 田中均
日本学術振興会: 特別研究員奨励費
研究期間: 2010年4月 - 2012年3月    代表者: 森 功次
1940-50年代のサルトルの倫理思想における生・死・芸術
東京大学グローバルCOE「死生学の展開と組織化」: 若手支援研究経費
研究期間: 2008年10月 - 2009年2月    代表者: 森 功次

社会貢献活動

 
【コメンテーター】  フィルカル  2018年4月21日
哲学雑誌『フィルカル』Vol.3 No.1刊行記念トークイベント
『ありふれたものの変容』『批評について』刊行記念ブックフェア 選書と解説
【その他】  慶應義塾大学出版会  2018年3月
【寄稿】  2017年7月
新しい古典がやってくる!『芸術の言語』刊行記念フェア「グッドマン・リターンズ」
企画:慶應義塾大学出版会 協力:勁草書房
【パネリスト】  慶應義塾大学出版会  2017年6月30日 - 2017年6月30日
グッドマン『芸術の言語』翻訳刊行記念シンポジウム
【その他】  紀伊國屋書店新宿南店  2015年9月8日 - 2015年10月25日
『分析美学基本論文集』刊行記念ブックフェア「分析美学は加速する――美と芸術の哲学を駆けめぐるブックマップ最新版」のトータルプロデュース。
 研究者9人が合計14項目の解説文を執筆した合計32ページの配布冊子を作成。
【講師】  ベルナール・ビュフェ美術館  企画展「ビュフェと1940-50年代 不条理に対峙する絵画」  2015年9月20日
【パネリスト】  HIGURE17-15cas  展覧会「オントロジカル・スニップ」  2015年2月21日
【講師】  Arts Audience Tables ロプロプ  オーディエンス筋トレテーブル#06  2014年11月17日
【講師】  森美術館  CAMP 現在のアート<2013>  2013年12月21日