共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

マントル物質のレーザその場溶岩生成に基づくセラミックス溶接の可能性探索

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K05122
体系的課題番号
JP20K05122
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究では、地球内部のマントルではあらゆる物質が一体化しており、その原理を解明すれば、溶接不可能材料であるセラミックス同士でも溶接のような一体化が可能になることに注目する。レーザ加熱によるマントル物質の溶融挙動の解明に基づき、光と物質の相互作用の新たな場を探索する為に新開発した「レーザその場溶岩生成」プロセスをセラミックの局所溶融部生成用に再設計し、相変態挙動も制御することで、汎用的に利用できる、高出力レーザを用いた簡易的新セラミックス溶接法の創出に挑戦する。今年度は下記の研究課題について実施した。
①マントル物質の一体化機構の解明:レーザを用いたセラミックス溶接技術を念頭に、マントル物質のあらゆる物質を一体化する機構について解明するため、マントル物質に高出力レーザを照射し、その場で溶岩を生成し、溶融・再凝固時の物性の変化や、形質変化試験を実施する。この試験に必要となるマントルゼノリスを採捕するために、島根県・隠岐の島に露出するマントルゼノリス(http://www.oki-geopark.jp/episode/geohistory/stage3/mantle-xenolith/)の地質調査・岩石試料採取を行った。来年度、詳細な観察・分析を実施する。
②セラミックスの局所溶融部を生成するその場溶岩生成手法の設計:レーザ加熱時の溶融・飛散課程を理解し、飛散方向を制御して、局所溶融部を所定の位置に形成できるようにプロセス設計するために、我々が独自開発した数値解析粒子法に、蒸発粒子の再付着過程をモデル化したアルゴリズムを開発した。さらに、本年度、接合プロセスを数値的観点から検討した結果、1500万以上の粒子数が必要になる可能性もあり、計算時間の短縮の為、海洋研究開発機構が新規に導入した地球シミュレータを活用した数値計算を視野に入れた検討も開始した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K05122
ID情報
  • 課題番号 : 20K05122
  • 体系的課題番号 : JP20K05122