共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2025年3月

河川敷空間の占用をめぐる歴史地理学的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K01053
体系的課題番号
JP21K01053
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
2,470,000円
(直接経費)
1,900,000円
(間接経費)
570,000円

本研究の目的は、歴史時代における諸空間の変化や布置関係に注目する歴史地理学的視座から、近代以降の河川敷空間の占用状況を定量的かつ定性的に広く調査し、その変化の背景や要因を考察することで、京都府内を流れる河川の河川敷空間とその周辺に生きる人々の生活との関係性を見定めることである。
今年度は、京都市役所および京都府立京都学・歴彩館での公文書調査および戦後から1960年代までの『京都新聞』の通読などを行うことで、本研究課題を達成するための基礎的な作業は実施できたと思われる。今年度の研究成果としては、「戦後京都,橋の下に住まう人々」(『経済学論叢」73-4, pp. 369-391, 2022年3月)がある。ここでは、第二次世界大戦終戦から1960年代中旬までを対象に、京都市内の河川(鴨川、高野川、桂川)に架かる橋の下に住む人々の生きる姿の復原を試みた。橋の下に住む人がは能動的あるとともに、排除や温情など複層的な社会関係のなかで存在していたことを明らかにし、決して一筋縄では理解できない,橋の下に住まう人々の姿を浮き彫りにできた。
2022年度は引き続き、京都府や府内の郡役所等の行政機関が作成した文書・記録類の資料を網羅的に収集・撮影し、それを綿密に読み込み、一部翻刻作業をしつつ、内容分析を実施するとともに、実地踏査および関係者へのヒアリング調査を実施し、明治期から昭和期にかけての淀川水系の河川敷空間の占有実態およびその変遷についてアプローチしていく。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K01053
ID情報
  • 課題番号 : 21K01053
  • 体系的課題番号 : JP21K01053