2021年4月 - 2024年3月
固定化モデル細胞膜の刺激応答性を利用するバイオアッセイセンサ
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
リポソーム様モデル細胞膜の膜特性評価として,先行研究での検討(DPPC,DOPC,DSPC,DPPEなど炭化水素鎖長および極性基の異なるリン脂質の混合系)に加え,新たに多価不飽和脂肪酸であるDHAおよび分岐鎖脂肪酸である12-methyltridecanoic acidがモデル生体膜(DPPC二分子膜)の流動性に及ぼす効果を温度や圧力を変化させて時間分解蛍光異方性測定および示差走査熱計を用いて比較した。どちらの脂肪酸も屈曲した構造やかさ高い構造から膜内における脂質分子の配向性を乱し,膜流動性を増大させると考えられたが,多価不飽和脂肪酸が膜流動性を大きくし,膜の液晶状態への相転移を低温側へシフトさせるのに対して,分岐鎖脂肪酸は相転移温度に影響を与えなないにも関わらず,高温環境では脂質二分子膜内における脂質分子の回転運動を大きく抑制していることがわかった。
リポソーム様のモデル細胞膜の指示担体としてのコラーゲンモデルペプチドについては,比較的低分子量のモデルペプチドに対して,金電極表面への自己集合単分子層の形成とその固定化密度を適切に制御することで,電極上で固定化したコラーゲンモデルペプチドとバルク中のコラーゲンモデルペプチドとの間でコラーゲン特有の三重らせん構造の会合体を可逆的に形成できることを確認できた。
一方,モデル細胞膜と化学物質との相互作用としての膜透過性の電極反応による評価については,リポソーム内に封入するプローブ分子の探索を行っているが,条件を満足するプローブ分子の選定に至っていない。
リポソーム様のモデル細胞膜の指示担体としてのコラーゲンモデルペプチドについては,比較的低分子量のモデルペプチドに対して,金電極表面への自己集合単分子層の形成とその固定化密度を適切に制御することで,電極上で固定化したコラーゲンモデルペプチドとバルク中のコラーゲンモデルペプチドとの間でコラーゲン特有の三重らせん構造の会合体を可逆的に形成できることを確認できた。
一方,モデル細胞膜と化学物質との相互作用としての膜透過性の電極反応による評価については,リポソーム内に封入するプローブ分子の探索を行っているが,条件を満足するプローブ分子の選定に至っていない。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K12283
- 体系的課題番号 : JP21K12283
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
JCIS Open 10 100082 2023年7月 査読有り筆頭著者責任著者
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Journal of bioscience and bioengineering 133(2) 168-173 2022年2月 査読有り
講演・口頭発表等
3-
13th International congress on Membrane and Membrane Processes (ICOM2023) 2023年7月10日
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第25回化学工学会学生発表会 2023年3月4日 化学工学会
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第25回化学工学会学生発表会 2023年3月4日 化学工学会