基本情報

所属
法政大学 文学部 哲学科 准教授
学位
博士(哲学)(パリ・ソルボンヌ大学(パリ第4大学))
修士(哲学)(パリ・ソルボンヌ大学(パリ第4大学))
学士(哲学)(パリ・ソルボンヌ大学(パリ第4大学))

研究者番号
90839218
ORCID iD
 https://orcid.org/0000-0003-2220-5464
J-GLOBAL ID
201601019670608812
researchmap会員ID
B000268075

外部リンク

1. デカルト哲学における自然本性の概念を、因果律の観点から認識論・自然学・形而上学的な連関のもとに解明することを現在の研究テーマにしています。それによって「神または自然(本性)」が何を意味するのかを考察しつつ、最終的にデカルトの思想を広義の自然(本性)哲学 philosophie naturelle として重層的に解釈する可能性を探るのが目標です。

デカルトの研究は、数学と自然学から『方法序説』を経て形而上学、特に神の考察へ比重を移していきますが、自然という観点でみると、『省察』以降のデカルトの研究関心は、認識の自然性(我々の精神と世界のうちに自然に存在する真理の認識)から存在の自然性、すなわち事物の本性と存在の根拠の解明へと、その重点が移行していると考えています。

「第三省察」は、「私」の本性は神から独立してあり得ず、また神の本性は「私」の本性から知り得ることを明らかにし、「第六省察」は「神または一般的に考えられた自然」が創造した物質の本性を検討しました。このように、『省察』以降の形而上学では本性の考察、とりわけすべての自然・本性に存在論的に関わる神の本性についての考察(とそこから生じる論争)が増えてきます。

デカルトの神の本性の考察は形而上学的ではありますが、そこで扱われる問題は形而上学の範囲には留まりません。デカルトがその後半生でとりわけ膨大なエネルギーを費やして取り組んだのは、神の本性に基礎づけられた自然学の解明でした。

デカルトの多様な哲学的営みをnatura/natureという多義的な概念のもとで分析することで、『方法序説』までにデカルトが取り組んだ認識論的自然性の解明(この考察が私の博士論文のテーマです)と、主に『省察』以後に検討される存在論的自然性とが有機的に補完し合い、デカルトが初期から一貫して追究した自然・本性概念の全貌とその体系的な発展を俯瞰することができると考えています。

2. これに関連し、第二の研究テーマは、西洋近世の技術革新に支えられた「科学革命」の影響下で発展した自然概念と表裏の関係にある倫理学の流れを辿り、その中にデカルトの自然思想を位置づけることです。
影響関係が必ずしも解明されていない近世の哲学者たちの自然研究における共2通点や相違を探索し、これを自然学・形而上学・倫理学の観点から検討することで、近世哲学を支える自然思想を多角的に明らかにすることが第二の研究計画です。

3. 研究の綜合的発展としての第三のテーマは、古代ギリシア以来の自然思想の哲学的な変遷を追跡し、これに環境倫理学や科学技術社会論など、現代の課題研究から得られる各種の知見を加味することで、他者との共生と社会の持続可能な発展をめざす自然思想についての多角的な考察を行うことが挙げられます。

この問題は科学思想史に還元されがちですが、形而上学の視点を織り込み、科学・技術・社会の発展の基礎となってきた哲学史を視点の根底におくことで(近世まで自然学は哲学の一部門でした)、自己・他者・自然が不可分に結びついた共生関係の全体像を、その根源から重層的かつ批判的に考察することをめざします。


論文

  15

講演・口頭発表等

  18

担当経験のある科目(授業)

  6

書籍等出版物

  1
  • コリーヌ・ペリュション(原著, 服部敬弘, 樋口雄哉, 平光佑, 佐藤真人 (担当:共訳) (原著:コリーヌ・ペリュション)
    萌書房 2019年8月 (ISBN: 9784860651336)

共同研究・競争的資金等の研究課題

  3