2019年9月14日
特異性をもつ捕食-被食モデルと絶滅現象について
解析学研究セミナー
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 口頭発表(招待・特別)
- 主催者
- 齋藤純一(都立産業技術高専)
- 開催地
- 東京都立産業高専
種の絶滅現象を数理モデルで定式する際,たとえば通常のロトカ・ボルテラ競争系では被食者がいなくなるまで無限に時間がかかってしまう.だが生物の絶滅は有限時間で起きるはずである.そこでF. CourchampとG. Sugiharaは1999年に閉鎖された天然の島に飼い猫が侵入したときに,島の野鳥が有限時間で絶滅する現象を記述するモデルとして特異捕食被食反応拡散モデルを提案した.この
非線形放物型方程式系の研究は数学的な観点からは以下の特徴がある.第一に生物種がある場所で絶滅する際に特異点が生じるので爆発現象としての側面がある.第二に被食者が捕食者の領域に侵入していくというという観点からは伝播現象の問題となる.またテクニカルには比較原理を用いることが出来ない点が難しい.本講演ではまず有界領域における解の漸近挙動についての結果を紹介する.特に解がその常微分方程式のそれに漸近することを示すための基本的なアイデアを述べる.また全空間の問題として進行波解の存在と周期的進行波の存在や捕食者の侵入速度について議論する.
非線形放物型方程式系の研究は数学的な観点からは以下の特徴がある.第一に生物種がある場所で絶滅する際に特異点が生じるので爆発現象としての側面がある.第二に被食者が捕食者の領域に侵入していくというという観点からは伝播現象の問題となる.またテクニカルには比較原理を用いることが出来ない点が難しい.本講演ではまず有界領域における解の漸近挙動についての結果を紹介する.特に解がその常微分方程式のそれに漸近することを示すための基本的なアイデアを述べる.また全空間の問題として進行波解の存在と周期的進行波の存在や捕食者の侵入速度について議論する.